
社会おすすめの参考書・問題集
社会科を勉強するのに効果的な参考書を7種類に分けて説明していきます。
1. まずは教科書、地図帳から
社会の勉強で有効なのは、まずはおおまかに全体を見ること。
最初は気楽に目を通すくらいの感じで、教科書をいったん通読しましょう。
歴史分野
特に歴史分野は通史と言って、古代から現代までの歴史全体をストーリーとしてとらえ、「あらすじ」を把握するのです。
先土器時代から平成までの日本の歴史を、時代区分を意識しながら
「源頼朝‐鎌倉幕府の成立」「織田信長‐長篠の戦い」「坂元龍馬‐薩長同盟」といったように政権担当者や主な事件・出来事の「文字を目で覚える」イメージです。
地理分野
地理分野なら、地図帳の活用です。
日本全図、世界全図を見ること。「俯瞰(ふかん)」という言葉がありますが、空を飛ぶ鳥が地上を見渡すように、地図全体を眺めるのです。
都道府県名や山地、平野、河川の名前がどの位置にあるかを把握しましょう。
地図を見て、位置と名前を意識したら、視点を上に逸らし(目をつぶってもよいです)、今見ていた地図を頭の中で再現してみるとよいでしょう。
「左上の方に『諏訪湖』って書いてあったな」とか「盛岡っていう文字の右の方に『宮古』っていう文字があった」といった感じです。
地図の学習ですから正確には「左上」「右の方」ではなく「北西」や「東の方」と言わなければいけませんが、位置を視覚的に把握することが重要なので、ひとまずそこは「上下左右」でかまいません。
空間的な認識をしないで細かい知識だけを学んでいっても、整理ができなくて後で困る場合があります。
間仕切りの無い引き出しにいろいろものを詰め込んでいるようなものです。
必要なものを取り出すときに、違ったものを出してしまったり、そもそも何を持っているかも分からなくなってしまいますよね。
ですから、単純暗記ではなく、いかに他の要素とからませて知識を複合的に記憶しているか、記憶した知識を秩序だって思い出せるかがポイントになります。
例えば、越後平野周辺の平野や川、山脈を学習する際、地図を開いて位置関係や地形を見ながら
「越後山脈が平野の背後には連なっているな」
「越後平野と同じで日本海側にある庄内平野は山形県の北の方にあるのか」
「越後平野よりは小さいな」
「平野を流れている川は最上川だ」
「そういえば日本三台急流の川だったな」
といったような体感型暗記法が身になる方法です。
歴史分野でいうと、頻出問題で、しかも難問扱いされる年代整序問題(歴史的な出来事を古い順に並び替えるような問題)は、それが何時代の出来事かをしっかり覚えていないと得点できません。
ただ出来事の名称だけ覚えても、時代別に整理がついていないと、年代整序のような応用問題を解くときに壁にぶつかる傾向があります。
教科書をいったん読み通すことは、時代を枠組みごとに大まかにとらえることなのです。
地理でも一部の地域をひたすら詳しく覚えても全体図が先に頭に入っていなければ、後々苦労します。
他の地域との共通性や違いが分かることで、知識の定着も深まり、応用が効くからです。
地理の問題なのに、地図帳を見ることを面倒に思う子もいます。
そういう子はテキストを見て、テストに出やすい項目だけをひたすら単純暗記しようとする傾向があります。
短期的には成果が出るかもしれませんが、本当の意味で理解したことにはならないので記憶の定着も悪く、そもそも面白くありませんので、結果的にその勉強が嫌になってしまいます。
「急がば回れ」と言われるように、まず全体を把握し、それからそれぞれの時代や地域のことがらを細かく学習することで、本質的な勉強につながる、結果として得点力も高まるのです。
2. 講義形式で書かれた参考書
教科書を読み通すことが大切と書きましたが、どうしても教科書の文章がなじめない、という子もいるかもしれません。
そういう場合は、「読みもの」的に書かれた参考書が役に立ちます。
講義のような体裁で書かれたものや、会話形式で書かれたものなどがあります。
授業で先生の話を聞いているような感じで読めるので、おすすめです。
3. 歴史まんが
そもそも本を読むのが苦手で、文字だけのテキストではたとえ講義形式で書かれていても読み通すのが大変だ、という子には「絵」で対応しましょう。
「まんがでわかる日本の歴史」のような本がありますね。
何巻にもわたっているものもあれば、1冊ですべての時代を説明しているすごいものもあります。
個人的には1冊ですべてを、というのは無理があると思いますが、そもそも歴史が苦手な子であれば、とりあえずその1冊を読み終えること自体がとても重要だと思います。
時代が違い、昔を知らない21世紀の子どもたちにはイメージがまったくわかないようなものが日本史の中にはあふれかえっています。
しかし、漫画なら絵で描かれていて一目瞭然です。
「大名行列」「土偶」「備中ぐわ」と文字で書かれて説明されているだけでは、どのようなものか理解するのは難しいですが絵ならすぐに分かります。
そして、何よりストーリー仕立てで歴史ロマンを感じながら面白く勉強できてしまうことが歴史まんがの良い点です。
マンガでわかる 日本史 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)
4. 写真や資料が多い資料集
文化史の勉強は、歴史上に出てくる寺院名・美術品名・工芸品名・建造物名を単調に丸暗記していくことになりがちです。
歴史上の出来事は、ストーリーがあって記憶に定着しやすいですが、実際に見たこともない古いお寺や仏像や絵画の名前を小学生が単純に記憶するのはなかなかなか難しいもの。
記憶に残りにくいので難問となる場合も多いです。
そんな文化史の勉強には、写真や図が豊富な資料集を活用するのが効果的です。
ことわざでは「百聞は一見にしかず」と言いますし、最近では「ビジュアルに訴える」という言い方があります。
視覚情報は他の何よりも一度に触れる情報量が多く、また、記憶に残りやすいという特性がを表している言葉です。
歴史上の重要な資料の現物に「写真」とはいえこの目で確かめるということは、名称の単純暗記よりはるかに効果的です。
また、パソコン、タブレットを使って画像や動画を検索して見てみることも良いでしょう。
文化史の問題では、写真を見せてそれが何かを問う問題が頻出しています。
ビジュアルで覚えることは、そのような問題の対策にもつながります。
5. 図表形式の参考書
時代別、地域別、単元別に見開きページごとに知識をノートに整理する構成の参考書を使って整理学習をしましょう。
一通り教科書などで全体の内容を見知った後に図式化して知識を整理すると、理解の度合いが一気に深まります。
引き出しの間仕切りを細かくして中身を整理していくような順序で知識の定着をはかることができ、分類することで記憶の定着も増します。
公民分野は、「三権分立」や「税制」や「景気動向」など特に図で丸ごと内容を理解する必要のある単元が多い傾向です。
勉強には図式整理型の参考書が特に適しています。
6. 一問一答式問題集
これまで説明してきたような方法と並行して、やはり知識の徹底した暗記も必要です。
取りこぼしなく、インプットしていくことがやはり社会科の勉強には必要です。
このとき、全分野をもうらしている一問一答形式の問題集を解くことをおすすめします。
中には重要な年号や農作物の産地などの語呂合わせの例が載ったものもありますので覚えにくいものは積極的に語呂合わせを使って覚えきりましょう。
記述式問題を解くにもまずは文章のキーとなる単語を知らなければなりませんので避けては通れない道です。ここは黙々と進めましょう。
7. 記述式問題集
まずは模範解答を丸ごと書き写すような勉強をしましょう。
そのとき、文の中心となる単語にマーカーなどで線を引きながら勉強しましょう。
記述式問題は模範解答とまったく同じ文章を作成しなければならないわけではありません。
中心となる言葉を押さえつつ論旨が間違っていなければ正解です。
ですから、効率のよい勉強法は文章を構成する単語をまずは覚えて、それを組み合わせて文章を組み立てていくイメージで取り組みましょう。