おすすめ!英語の勉強法【大学受験編】

勉強する高校生

語彙力→文法力→読解力

大学受験では理系学部と文系学部のどちらを選んでも受験科目に英語は必須です。
英語が苦手になってしまうと、気持ちの面でも焦りや不安につながってしまいます。
また英語は、成績の伸びを実感するのに時間がかかる科目でもあるので、その意味でも早めに手を打つことが肝心です。

何から始めて、どのようなプロセスで英語の成績を上げてくか、これを読めばイメージできると思いますので、自分に合った計画を立ててみましょう。
そして今日から着実に実行していきましょう。

1.英語の勉強の進め方

英語が苦手、成績が上がらない、という人のほとんどが「語彙が足りない」状態だと言えます。
大学受験で高得点を取る王道は、次の順序で力をつける方法です。

語彙力→文法力→読解力

大学共通テストでは、これに加えリスニング対策も必要になってきます。
ここでは、大学共通テストの英語対策を例に挙げて順に説明していきます。

① まずは語彙の習得!

分からない単語がたくさん出てくる文章は、当然読む気にはなりませんよね。
「読む気になる」ためにも、ある程度の単語・熟語を知っている必要があり、まずは語彙の強化から取り組んでください。
大学共通テストのレベルで必要になる英単語の数は5000語と言われています。
高校3年までに教科書で習得するのは3000語ですから、2000語足りません。
つまり、学校の勉強以外に追加で2000語を習得する必要があります。志望大学によっては3000~4000語が必要になってきます。

大学受験で必要な語彙数の目安
図1:大学受験で必要な語彙数の目安

教科書で習う単語に加えて、「共通テスト英単語1800」といった単語帳で、自分の目標に合わせて自学習してください。

◆ 毎日英単語を何個覚えるか ルールを決めてルーチンワーク

たとえば、1日20語を目安にすると、2000語は100日で1周できます。
しっかりと自分のものにするためには、

  1. 単語帳を3周する
  2. 忘却曲線の法則に則って、翌日、1週間後、4週間後に見直す

といった方法があります。

1.単語帳を3周して自分のものにする

100日×3周=300日必要
完全マスターには300日かかる計算ですが、2周目・3周目は覚えている単語は読み飛ばして良いので、実際にはもっと少ない期間で完全マスターできます。
図2:単語帳を3周して覚えるときの期間

2.忘却曲線のルール・忘れないうちに見直して定着させる(おすすめ)

忘却曲線のルールでは、前日と1週間前と4週間前に覚えた単語を見直します。

  • 新規単語を20語覚えるルールならば、
    新規20語+過去の60語の見直し→1日80語を見る(完全マスターには約100日)
  • 新規単語を6語覚えるルールならば、
    新規6語+過去の18語の見直し→1日24語を見る(約300日後に1800語を完全マスター)

※ただこの場合も、覚えている単語を読み飛ばせば、1日あたりの単語の数はもっと少ない感覚で進められるはずです。

図3:新規単語を6語覚える場合の期間

自分に合ったやり方と分量を決めてほしいですが、ポイントは無理な計画を立てないこと、これにつきます。
無理なく毎日取り組める「英単語マイルール」を設定して、確実に実行していきましょう。

◆ 単語を覚えるときは発音も必ずチェック

もう一つ重要な点は、単語の勉強の際には必ず発音を聴いて、自分でも発音してみることです。
通常、英単語・熟語帳には音声データも入手できるようになっているので、必ず聴いて自分の口を動かして発音してください。
聴けない環境では、発音記号を見ながらも良いので発音すること。これがのちのち、リスニングの対策にも効いてきます。

② 次に文法の理解

文法は文章構造の法則です。
言い換えると英単語の語順の法則です。英語は日本語と語順が全く異なるので、法則を理解した上で慣れていく必要があります。

まずは学校で使用している文法書で学び、演習する。これを繰り返します。
演習問題も何度も繰り返すのが良いので、文法書は2・3周しましょう。
他の書籍に手を出さずに1冊を使い倒すことが、文法完全マスターの近道です。

学校の文法書がどうしても自分に合わないというときには、別の参考書を購入しても良いかもしれません。
また、そもそも文法に苦手意識を強く持ってしまっている場合は、分かりやすい解説を聞く方が理解が進むので、学習塾・予備校で集中的に学習したほうが良いでしょう。
他にもインターネットで英文法解説の動画を検索するとたくさんヒットしますね。
こういった解説動画でも学ぶことができるので、いろいろ視聴してみて良い講師を見つけてください。

③ そして長文読解!

ある程度の語彙と文法が身に付いてきたら長文に慣れていきましょう。
苦手意識のある人は、先に語彙と文法の強化から始めて、長文は後回しで良いです。
ただ、長文読解対策として本格的に取り組むのは、高校3年の春から、遅くとも夏休みには始める必要があるので、それを逆算してスケジュールを組む必要があります。

初めは長い文章ではなく、数行の文章から始めましょう。
読解のまず最初の一歩は、1つの文章をしっかり精読することです。

  1. 最初から最後まで辞書など見ずに「精読」し、意味を理解する
  2. 和訳を確認する
  3. 自分の理解の間違っていたところ、分からない単語・熟語のチェック、読み取った文法(SVOCM)が正しいかを確認する
  4. 最後に声に出して音読する

みなさんは単語や文法の習得のときに読む1文の例文でも、このやり方で英文を理解しようとしていると思います。
長文になったときも同じやり方です。
短めの文章を先頭から右へ読んで、いちいち戻らなくても理解ができるようにします。しっかり精読できるようになったら、多読に挑戦します。

最後は共通テストの読解問題の標準ボリュームと同等の長文(約600語、約2ページ)をたくさん読みます。
たくさんの長文に触れ、いかに慣れるかが長文読解で得点するカギです。

完全な和訳ではなく英文の趣旨の理解が大切
完全な和訳をノートに書きこんでいる人もいますが、それにこだわりすぎると手間と時間がかかりすぎます。
分からない単語は飛ばして最後まで読み、テーマや要点を書きとめ、問題を解きます。
答え合わせの際には、英文の趣旨が自分の理解と合っていたかどうかを中心に確認しましょう。

語彙と文法の基礎が読む早さを左右する
共通テストでは大問6問がすべて長文問題形式なので、時間内に読める速読力が問われます。速読するには、単語の意味を瞬時に思い浮かべられないといけません。
また関係代名詞や動詞の時制から、構文の形が見えてこないと全体の意味を取り違えてしまいます。
語彙力と文法力の基礎がしっかりしていると、ストレスを感じずに長文に取り組めるということなんですね。

④ 速読力の向上とあわせてリスニングの訓練も

共通テストの英語リーディングの問題は、問題冊子全部で6000語程度と言われています。
これを80分で解くためには、1分あたり150語程度の速読スピードが求められます。

150語の文章はおよそ9~10文からなる文章、標準的なA4用紙1ページの4分の1から3分の1程度の英文をイメージしてみましょう。

実は読むスピードを上げるのには、音読をすることと、リスニングをすることが非常に有効です。
人によってはリスニングを先に強化したほうが、リーディングに効果があるという人もいます。
リスニングと速読は並行して取り組んでも良いと思います。

発音も合わせた語彙力が身に付いていて、文法の語順が頭に入っていると、リスニングのハードルも下がってくるでしょう。
リスニングのトレーニングの始め方は、最初は短いスクリプトから。

  1. スクリプトを何度も聴き、意味を理解する(意味を想定する)
  2. スクリプトの英文を読む
  3. 聴き漏らしていた冠詞や前置詞、聴き取れなかった単語などを確認し、単語の意味や文法を含め文章を100%理解する
  4. 音声を真似して音読する
  5. 再度、音声を聴き、読み、音読をする
  6. これを繰り返し、理解ができてフレーズも頭に入ったら、次の文に進む

教材として手元にある音源は、時間をおいて、繰り返し聴き倒しましょう。
余裕が出てきたら、他の音源を探しても良いし、ポッドキャストのスクリプト付きリスニング音源の無料のスマホアプリなどもあるので、活用してみてください。
大学共通テストでは、リーディングとリスニングの配点が同じ100点(合計200満点)なので、同じように強化していく必要があります。
共通テストのリスニングの問題は図やグラフを読み取る問題も出題されているので、慣れてきたら過去問や共通テスト対策の問題集なども利用しましょう。

2.問題集・参考書の選び方

現在の英語力および目標とする大学によってやるべき問題集は変わってきます。
学校の先生や塾・予備校の担当者に相談して自分にあった問題集を見つけましょう
実際に中身を見て、自分に合う本かどうかを確認するようにしてください。
自分がわからない問題の解説を見て「なるほど!」と思うものを探してください。
一度これと決めた問題集はぜひ最後まで解ききりましょう。一通りやりきることで大きな穴を無くすことができます。
そしてその一冊を2・3周するまで成績が上がる実感は得られないと考えて、じっくり自分のものにしてください。

3.受験までのスケジュールを立てよう

冒頭に申し上げましたが、英語は受験科目の中でも特に勉強の成果が現れるのに時間がかかる科目です。
まずは自分で、必要に応じてアドバイスを受けながら、自分の学習スケジュールを決めましょう。
毎日英語に触れることを第一に、無理なスケジュールにしないことが大切です。
これまで述べた学習期間と時期を一例としてまとめると…

  • 高校1~2年:
    語彙・文法の集中的な強化(2年の終わりまでに、自身の目標語彙数の8-9割は身につけておく)
  • 高校3年:
    長文読解・リスニングの強化

もちろん、2年生までの時期に一切長文を読まない、リスニングもしないということはあり得ません。
定期テストや模試の対策のためにも「語彙」「文法」「読解」を少しずつバランスよく学習する必要はあります。

最初は成績アップを実感しにくく、苦しい時期が続きますが、語彙・文法について一通り終わらせると段々と成績が上向いてくるでしょう。
不安を感じたら信頼できる先生や担当者に相談をしてスケジュールの修正が必要か確認をしましょう。

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