おじぎ草という植物がありますが、指で触れるとおじぎをするように倒れるのですか?(笹くん)

おじぎ草

植物なのに、まるで動物のように動くというのはとても不思議ですね。
オジギソウの動きは昔から注目されていて、「進化論」で有名なダーウィンも『植物の運動力』という本の中で説明しています。オジギソウは、ブラジル生まれの植物で、夜に葉を閉じる性質があるので「ネムリグサ」ともよばれます。
また、何かがさわっただけで葉を閉じ、おじぎをするようにたれ下がります。そして20分もすると、もとの状態にもどります。

動物の場合は、ふつう筋肉を縮めることで運動していますが、オジギソウにはもちろん筋肉はありません。その代わりに水の力を利用して葉を動かします。 何かが葉にさわると、それが電気の信号となって、葉を支えている部分(葉枕といいます)に伝わります。ここには風船のようにふくらむ部分があり、ふだんは水でいっぱいになっていますが、信号が伝わると水が移動して形が変わります。そうすると葉を支える力が小さくなって、葉がおじきをするようにたれるというしくみです。そして、20分ほどたつと水が元の場所にもどるので、葉が持ち上がって元通りになるというわけです。
それに対して、夜になって葉を閉じるのは、電気の信号ではなく、葉を閉じさせる物質が出ているためです。

ところで、なぜ葉をとじるのかについて、はっきりしたことはわかっていません。
夜に葉を閉じる理由としては「体が冷えるの防ぐため」というダーウィンの説が信じられています。一方、さわられたときに動く理由としては、「虫に食べられないようにする」、「熱帯地方の強い雨をさける」、などの説が考えられています。

オジギソウはマメ科の植物ですが、この仲間には、さらに変わり者といえる「マイハギ」という植物があります。この植物は、なんと音に反応して動くことができます。
高い音に反応して葉を上下させるので、まるで音楽に合わせておどるように見えるそうです。葉を動かすしくみは、オジギソウと同じですが、何のために葉を動かすのかについては、よくわかっていません。
これからの生物学の進歩を待つことにしましょう。(みなさんも考えてみてください)

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