寒いところで息を吐くと白く見えるのはなぜですか?(ビッグキューちゃん)

寒さで震える女性

人が息をするとき、空気中の酸素を体の中に取り入れて、 かわりに二酸化炭素を出していますが、このとき、はく息の中には水分もふくまれています。

水は、温度によってさまざまな形をとることができます。
ふだんは自由に形が変わることができることができる液体ですが、 0度以下では固体の氷になり、 100度以上では、気体の水蒸気になります。 じつは、このように温度によって形を変える性質は、すべての物質が持っています。 たとえば、固い鉄も、1535度以上になるとどろどろの液体になり、2750度以上では、気体になってしまいます。 あらゆる物質の中で高温にもっとも強いのは、電球のフィラメントに使われているタングステンで、 5930度以上では気体になってしまいます。
ですから、地球上のどんな物でも太陽の表面(6000度以上)に持って行くと形が見えなくなり、気体になってしまうわけですね。

さて、はく息の中にふくまれる水は気体の状態です。
このとき、水は分子とよばれる非常に小さなつぶ(1cmに3000万個以上ならぶ大きさです)に なって飛び回っていて、その速さは温度が高いほど速くなります。 ところで水の分子には、たがいに結びつこうとする性質があります。 ですから、気温が低くなり、分子の動く速さがおそくなると、分子が飛び回ろうとする力よりも、 ちかくの分子と結びつこうとする力のほうが大きくなってしまいます。 このようにして気体のつぶはより集まって、目に見える大きさの液体のつぶになるわけですが、 この状態になると白く見えるので、はく息は白くなるわけですね。

身のまわりには、同じ理由でおこる現象がたくさんあります。 やかんから出る水蒸気が湯気になって白く見えること、 冷凍庫を開けたときやドライアイスを水に入れたときに 出る白いけむりもそうですし、山の斜面にそって上昇した空気が 冷やされて雲ができることも同じしくみです。

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