「質」「量」の話

こんにちは。川崎校の大石です。
ニュースなどの情報を見ていると「質量」と重さが異なる認識で使われることがあります。「質量」と重さについては詳しく中学校で習いますが、私自身を含め、正しい表現に置き換わることはないと感じられます。体重については質量を示すため正しいですが、重さが何kgなのかという表現は誤りになります。「質量」は場所によって変化しないものでキログラム(kg)などの単位が用いられますが、重さは重力の影響により、場所によって変化し、ニュートン(N)などの単位が用いられます。ここでは、「質量」の「質」、「量」について着目します。

「質」について、他に比較するものがなければ、一般には高いものを求めるでしょう。あえて質の低いものを求めることもありますが、質の高いものは魅力的だと思います。「量」について、こちらは量が多い方が良いだとか、少ない方が良いだとかは様々だと思います。買い物をするとき質が高く、量が多いものを求めると価格が高いことは一般で、仕方なく質を落とす、あるいは量を減らす場合があります。

学習においては買い物と同じことが起こるでしょうか。買い物の場合の価格を学習の場合では時間に置き換えて考えてみると、私の経験からは、学習の「質」を高めようとしても「量」が伴ってからでないとうまくいかないように感じられます。「質」の高い勉強の「量」を多くすると時間がかかることは当然ですが、学習の場合、「量」は「質」の後についてくるもので、買い物の場合とは異なる状況が生じると思います。

例えば、何をもって「質」の高い学習を行うのかということを検討すると、情報の取捨選択や学習の方法、環境づくりなどが挙げられます。情報の取捨選択については「量」を多くすることがすべてではなく、完璧に解ける問題をもう一度解くことは必要なのかどうか見極めることが大切ということです。学習の方法や環境づくりについては、人それぞれ最適なものを見つけるためには準備のための時間として「量」が必要になります。そして、その後に最適な「質」がついてくるはずです。

ある物の「質量」は場所によって変化しませんが、学習の「質」、「量」は変化させることが可能なため、まずは「量」を増やして、徐々に「質」を高めていきましょう

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