中学入試 算数分析

はじめに

中学入試の算数分析です。
主要校の注目問題をご紹介するとともに、今後の合格対策も掲載しております。
これからの学びの羅針盤にしていただければと思います。

国大Qゼミ 中学受験コース 算数科

目 次

栄光学園中学校

< 傾向 > 60分 70点満点

大問4問構成。確実に取れる問題が例年より少なかったせいか、合格者平均が38点と受験生にとって難易度が高い内容でした(合格者平均はここ数年、45点前後で推移していた)。日頃、学習したことをもとにして、ねばり強く調べたり、思考できたかがポイントになったと言えます。

<これからの学習作戦>

  1. 技術と試行を織り交ぜた問題
    栄光学園の問題は他の学校と比べ、試行や思考に重きを置いた問題が多く出題されます。
    試行…手を動かしながら内容を把握すること
    思考…深く考えながら自らの論理を展開すること
    算数の問題と対峙していく時、自らの方針を立て、試行していく中で方向修正をはかっていったり、じっくりと考えながら論理を展開していく習慣が大切です。その際、「自分」が「試行」することと、「自分」が「思考」する楽しさを見出すことができると良いですね。その第一歩として解説の考えを鵜呑みにするような学習姿勢があるとしたら改善しておきましょう。
  2. 論理的に検証する
    栄光学園の問題は、試行錯誤するチカラを求めていると言えます。普段の学習においても、〇や×という結果だけにとらわれることなく、論理を表現する習慣をつけておきましょう。解き終えたら、何がポイントになっているのか論証することも忘れずに…。
  3. 可能性をすぐに捨てない
    「あてはまるものを全て答えなさい」
    栄光学園は、このように「全て」解答させる設問設定が数多く出題されます。これは、答えの一部だけでも正解して欲しいという部分的な解釈というよりも、問題の全体像(背景)をある程度つかんだ上で、条件に見合わないものを少しずつ消去していくような思考過程を要求しています。安易に可能性を捨ててしまうような考えからの脱却が必要になるでしょう。

聖光学院中学校

< 傾向 > 60分 150点満点

聖光学院の入試問題は、公式や解法をただ単にあてはめることだけを考えていては歯が立ちません。それぞれの解法についての本質的な理解が求められることはもちろんですが、解答への糸口をつかむためにていねいに書き出して調べたり、図やグラフなどを使って問題を視覚化して考える姿勢が求められます。一見しただけでは解答への道筋が見えなかったとしても、実際に手を動かしているうちにその道筋が少しずつ見えてくる、そのような問題の出題が多いことが聖光学院の入試問題の特徴だと言えます。

<これからの学習作戦>

  1. 問題設定を確認する
    聖光学院では、問題文で指示された通りに作業を行い、その作業を行いながら解き進めていくタイプの問題が出題されることがあります。
    小問(1)は、題意を正確に読み取っているかを問う場合が多いです。この問題を通して、作業手順やルールを把握することになります。
  2. 問題の背景をとらえる
    小問(2)ではさらに条件が加わり、深く考えていくような設問設定となります。例えば、可能性のある範囲を聞かれたり、試行しながら一般化するチカラが問われたりします。聖光学院をはじめとする難関校では、このようなチカラを要する設問が頻出です。条件を満たすものと満たさないものとの境界線を意識しながら、問題の背景を理解する必要があります。
  3. 調べた結果をいかして次のステップに進む
    小問(3)では、(2)までで得た情報や規則(気付き)を活用して、さらに次のステップに進んでいく設問です。
    このように、小問には設問の流れがあります。そして、そこには作問者の意図が存在しています。過去問を演習する際には、作問者との対話を楽しめたかどうかのふり返りをしてみると良いと思います。

浅野中学校

< 傾向 > 50分 120点満点

今年も大問5題構成で、考え方の記述が1問含まれていることも例年通りの出題形式でした。
様々な分野を織り交ぜながら幅広い単元から出題されることが特徴で、「算数に真正面から取り組んできた子」であれば、どこかで経験済みの問題が多く出題されます。それらの問題を、確実に正解していくための堅牢な基礎学力が必要となります。
また、作業や作図などが必要な問題が毎年大問で1題出題されており、「下書き用」や「作図用」など、受験生が問題に取り組みやすいようなスペースを設けていることも特徴です。

<これからの学習作戦>

  1. 題意をつかむ
    作業を必要とする問題については、まずどのようなルールで作業を行うのかを確実に把握する必要があります。ここを誤るといくらていねいに作業を行っても正解にはたどり着きません。
    日頃の学習においても、例え長い問題文であったとしても正確に読み取る習慣を身に着けておくことが大切です。
  2. 考えやすい問題設定
    浅野の算数は、全体的に問題設定が受験生にとって考えやすいように配慮されています。特別な発想力が必要とされるような問題の出題は少なく、日頃の学習成果や学習姿勢がそのままテストの結果に反映されやすいような作問になっています。
  3. 誘導の流れをつかむ
    例えば、(1)~(4)の小問が並ぶ設問において、(1)から(3)を解くことで考え方の道筋が分かり、そこから(4)につながっていくようなケースが多く見受けられます。題意をしっかりと把握したうえで、その流れにしたがって解き進めることで解答までたどり着くことができるような問題設定になっています。
    年によってはこれまでに見たこともないようなタイプの問題、もしくは一見しただけでは解答への道筋がなかなか見えてこないような問題が出題されることもあります。そのような問題が出題された場合でも、設問の流れをじっくりと眺め、出題者の意図を汲み取ることによって解答へとたどり着くことができます。このようなことを意識しながら、日頃の学習を進めてみましょう。

サレジオ学院中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

50分で大問数5題、小問数は約20題程度出題されます。難易度はそれほど高くはありませんが、問題を解く際のスピードと正確さは高い水準が要求されます。前半の典型的な問題で確実に得点を積み重ね、後半の問題に十分な時間を確保できると合格点に達するでしょう。

<これからの学習作戦>

  1. 確実な計算力と記述力
    後半の問題は、比較的長いリード文が出題されることが特徴です。そこに書かれている内容が理解できれば、解法自体は難易度が高いわけではありません。複雑な計算をこなす場面もあるため、粘り強く処理する練習を積みましょう。
    また、途中式を書くという形式も頻出です。日頃からのノートの取り方、解答スペースを考慮した記述表現のトレーニングも大切です。
  2. 基本的な解法の理解
    高度な思考というよりは、「学習したことが本当に身についているか(=仕組みが分かっているか)」が問われる問題が多く出題されます。典型問題の原理をしっかりと理解し、確実に正解に導くための計算力が必要です。
  3. 対話文形式の問題に慣れる
    近年頻出傾向にある対話文形式の問題に慣れておく必要はあります。全体を読み、どんなことが表現されているのかを読み取るチカラを要します。Qゼミでは、6年後期(9月以降)に対話文形式の問題を学ぶカリキュラムを組んでいます。

逗子開成中学校

< 傾向 > 50分 150点満点

難易度は例年通りでしたが、典型的な解法にとどまらない思考問題も出題されています。また、これまでにはない「対話形式」の出題もあり、近年の入試傾向に則した問題と言えます。出題分野では、図形・数論分野が頻出です。

<これからの学習作戦>

  1. 「対話形式」問題
    登場人物の対話文を読みながら問題を解くというかたちです。対話形式の問題は
    ①流れに沿って解き進めていくこと
    ②キーワードをキャッチすること
    この2点が大切です。
  2. 線分図や面積図などを積極的に使った学習
    リード文が少し長くなっていたり、条件(ルール)が複雑な設問が出題されたりします。
    算数では、和や差に関係する話題では「線分図」、積や商に関係する話題では「面積図」を活用することが一般的です。問題文を読み、条件整理(情報整理)をするために、図を描き、視覚化することを意識しましょう。
  3. 図形・数論分野は相応なチカラが要求される
    図形(平面図形・立体図形)は、代表的な「求積」や「相似」の他に、「展開図」「最短距離」「回転体」「切断」など、細かな部分までチェックしておくと安心です。
    数論は、あるルールのもとで調べ上げていく「場合の数」が頻出です。樹形図などを活用して、ていねいに調査していく集中力・注意力が求められます。
    両分野ともに、過去問を演習する中で要求されているレベルを体感しておきましょう。

鎌倉学園中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

大問8題から構成されており、例年、[1]計算問題が4問、[2]一行問題が4問、[3]平面図形の一行問題が2題、ここまでが計算と一行問題と呼ばれる部分にあたります。その後、大設問が[8]まで続きます。小問数が多いので、1題あたりにかけられる時間が短いことが特徴です。工夫して計算するなど、「ただ解く」ではなく「効率よく解く」ことを意識することが大切になってきます。

<これからの学習作戦>

  1. 計算力は必須
    少し複雑な数値設定がなされていることが多く、一度で正解するための高度な計算力が必要です。ただ地道に求めていくだけでなく、答えを求めるまでの見通しを考えた上で、計算を進めていきたいです。特に円周率(3.14)がからむ計算では、まとめて計算することで素早く正解にたどりつけますので、日頃から意識しておきましょう。
  2. 全体を見渡す力
    問題数がやや多いため、スピード勝負の入試とも言えます。その場合には、どの問題から取り組むのか、問題を見て判断する必要があります。初見の問題でも、おおまかな解法の方向性を定める力が必要となります。
    また、入試本番では、すぐに解法が思い浮かばない問題があった場合、踏み込み過ぎずに他の問題を見るという取捨選択も必要になります。そういった意味でも、制限時間の中で全体を見渡すチカラも大切になってくるでしょう。
  3. 効率的に解く力
    出題形式自体はオーソドックスで題意が掴めないような問題はありません。解法自体も道筋は見えるものが多いですが、各問題少しずつ時短できるポイントが隠されています。日頃の学習の中でも、解き終えた後に解法プロセスをふり返り、さらに効率的な方法がないのか確認する習慣をつけておきましょう。

慶應義塾普通部

< 傾向 > 40分 100点満点

出題形式・問題数は例年と同様です。すべての問題で、考え方・式の記述が必要です。難問・奇問の類はなく、一度は類題を見たことがあろう問題が並びます。ただし、テスト時間に対して問題数が多いので、テキパキと処理していくチカラが必要です。

<これからの学習作戦>

  1. パターン学習に陥らず、本質の理解をする
    どこかで見たような問題が多いですが、王道的な解き方のままではなく、ひと工夫が必要な問題が多く見られます。そのため、問題をパターンにあてはめ、「〇〇算は掛けて、引いて、割る」といった問題の見方をしていると対応ができません。「なぜ」を大切にしながら日頃の演習を進めていきましょう。
  2. 経験に勝る訓練なし
    同じ単元の問題でも、問題の切り口は無数にあります。入試で、「あっ、この問題はやったことある!」となれば、これほど心強いものはありません。一捻りした問題でもそう思えるよう、数多くの問題に取り組むようにしてください。さまざまな切り口を経験することが大切ですので、1つの教材をマスターした上で、目の前にある教材をまんべんなく取り組みながら経験量を増やしていきましょう。
  3. 時間の有効活用
    問題を解くスピードを上げるには、「1つ1つの計算速度を上げる」「効率的な解法で解く」「解法を考える時間(どう解こうか迷う時間)を減らす」などの方法が考えられます。いずれの場合も、日頃からスピードアップを意識できる環境で勉強することが大切です。学校に行く前など、勉強を終えなければいけない時間が明確に決まっているような状況を常日頃から意識して作るようにしましょう。

フェリス女学院中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

例年大問が5題出題されます。[1]は計算1題と小問4題ですが、小問と言っても決して難易度が低いわけではありません。「作業する力」と「そこから一般化する力」が試されることはフェリス算数のひとつの特徴であり、十分な対策が必要です。また「円とおうぎ形」と「直角三角形」が絡んだ問題は頻出です。問題用紙の中に解答欄が含まれる、問題・解答用紙一体型入試問題であることも特徴のひとつです。

<これからの学習作戦>

  1. 条件を読み込み題意の通り作業してみる
    多くの場合、小問の(1)で題意(ルール)を把握することになります。問題を読んだ瞬間は題意がつかめない場合がありますが、実際に手を動かして作業していくことで流れがつかめることが多いです。これは(2)以降を思考する準備と言えます。この作業を通しての「気付き」にアンテナをはってみましょう。自分で解きながらの「気付き」、少し俯瞰して問題をながめてみての「気付き」、そういった気付きを大切にすることで解く糸口が見つかってくるはずです。単なる作業だけに終始しない「作問者の意図」に気付くことにつながるでしょう。
  2. 和と差に着目する
    フェリスの算数においては和と差に着目する問題は頻出です。「2量」の和と差、「速さ」における和と差など分野を横断して和と差を意識させる問題は頻出です。このような視点は、「問題を大局的に見る」ことで養われます。解いた後にどんなプロセスをたどっているのかふり返ることも大切ですね。
  3. 設問の流れを感じとる
    小問同士のつながりに目を向けることで、解法の糸口が見つかる場合があります。(2)では(1)の結果を、(3)では(1)(2)の結果に目を向けることで、その考え方や答えを活用できる場合があります。
    すぐにゴールまでのイメージがつかめない問題でも、そこでたじろいでしまうのではなく、試行しながら問題の意図をつかむこと、これは普段の学習での成功体験がとても重要です。

洗足学園中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

[1]計算2問、[2]・[3]小問集合8問、[4]・[5]大設問という構成です。解答までの考え方や式を書く問題が出題されます。飛びぬけた難問はありませんが、多くの問題が「やや難しい問題」となっています。問題数も多めなので、スピーディーに解いていくスピード感も重要になります。

<これからの学習作戦>

  1. グラフ問題は必須
    グラフ問題は、速さや水量変化などさまざま分野での出題があります。グラフのタテ軸とヨコ軸で何を表しているのか、変化点ではどのようなことが起こっているのか、などの情報をつかんだ上で解きはじめましょう。
  2. テキスト・模試・過去問の活用
    やや難しい問題をスピード感を持って解いていくチカラが必要です。スピードは意識して速まるわけではなく、深く理解することから論理の飛躍が可能になり、結果的に時間短縮につながっていきます。そういった意味で、テキストの例題・類題レベルを深く理解することがとても重要です。ここの論理が少しでも曖昧になると、応用レベルの問題で無駄に時間がかかってしまったり、立ち止まる瞬間が多くなります。
    まずは、基礎的な解法を理解した上で、テキストに掲載されている典型問題をひと通り学習しましょう。すべての分野の典型問題を制覇するだけでかなりの時間を要します。そして、模試や過去問など制限時間がある中で、効率的な解法ができているのかをチェックしてみると良いでしょう。また、一度で正解する得点力をつけることも意識して学びたいですね。

横浜共立学園中学校

< 傾向 > 45分 100点満点

出題形式は大問5題となっており、ここ数年全く変化はありません。[1]は計算問題が2題と一行文章題が4題の合計6題の小問で構成され、その後に大問が4題続きます。[2]以降は「割合」「速さ」「平面図形」「立体図形」が出題されます。
過去問をじっくりと取り組んでいる受験生にとっては、入試本番でも出題傾向などの変化に戸惑うことなく、安心して取り組める問題です。

<これからの学習作戦>

  1. 問われていることはあくまでも基礎力
    例年基本的な考え方が問われる問題が多いです。問題の条件さえ整理できれば、正解にたどりつくことはそれほど難しい問題ではありません。「割合」「速さ」「平面図形」「立体図形」の4分野に関しては、浅く広く解法チェックをしておくと良いでしょう。例題レベルの問題であれば、問題を読んだ瞬間に解法が浮かぶレベルまで訓練しておくと安心です。
    出題傾向はしばらく変化していないので、過去問はできるだけさかのぼって多くの問題に触れておくことも対策となります。
  2. 設問の流れがそのまま解き筋となる
    大設問における小問は、(2)は(1)の結果を、(3)は(2)の結果を活用することが多くあります。(1)→(2)→(3)の順がそのまま解き筋になります。したがって、難易度の順に小問が並んでいるため、(1)は題意がつかめれば解ける問題、(2)は(1)の結果を利用して解く問題、(3)は(2)までをさらに発展させて解く問題という位置づけです。このあたりも、過去問を活用して体感しておきましょう。

横浜雙葉中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、[1]は計算と一行問題、[2]、[3]は大問という構成です。平均点は年度によって差がありますが55%~65%で、算数の得点は合格を左右する科目と言えるでしょう。
頻出テーマの1つである「グラフ読み取り問題」は十分な対策が必要となります。

<これからの学習作戦>

  1. 前半の問題(1)ではミスを最小限に
    四則計算、和と差、割合と比、速さ、平面図形といった頻出問題を正確に解くことがまず必要です。各問題の難易度はそれほど高くないため、ここでのミスは最小限にしたいですね。テキストに掲載されている「例題・類題」レベルは、どの分野であっても素早く処理できることが理想です。6年生の9月以降の学習では、時間を意識した学習を心がけましょう。
  2. グラフの問題は頻出
    例年、グラフの読み取り問題が出題されます。グラフは「水量変化」「速さ」や「点の移動」など、単元としては多岐にわたります。グラフを読み取るとき、①グラフのタテ軸とヨコ軸は何を表しているのか、②グラフの変化点ではどのようなことが起こっているのか、をていねいに確認しながら題意をつかむことが大切です。過去問を活用して慣れておきましょう。
  3. 書き出すチカラと説明するチカラ
    「数論」も頻出テーマとなります。数の性質や場合の数がこれに該当します。題意をつかむために書き出してみるなど、一歩踏み出してみることが大切です。
    また、法則や解法を説明する問題もよく見かけます。日頃の学習から「なぜ?」を1つずつ解決していくようなていねいな学習が結果的には対策につながります。

鎌倉女学院中学校

< 傾向 > 45分 100点満点

例年、[1]計算問題、[2]小問集合、[3]小問集合、[4]、[5]大問という構成。[2]と[3]で難易度が多少異なることが特徴([3]の方が難易度が高い)。制限時間のわりに問題数が多いため、解法が分かる問題から得点につなげていくことが合格への鍵。

<これからの学習作戦>

  1. 基本問題を確実に理解する
    合格するためにまず必要なことは、1と2の計算と一行問題での得点率をあげることです。そのためには各単元の基本に該当する問題を確実に正解する力が必要になります。テキストの例題・類題レベルの徹底理解を目指しましょう。
  2. 図形問題への経験値を高める
    図形問題の中でも、思考力を要する問題が出題されることがよくあります。典型的な図形への攻略(例題・類題レベル)を終えたら、さまざまな問題に触れ、試行錯誤をくり返しながら経験値を高めておくと良いでしょう。時間をかけて思考した図形問題は、必ず頭の中に残ります。そのストックを増やしておくと、類似する問題が登場したときに、その知識を引き出せるようになるでしょう。
  3. グラフを活用した「速さ」
    昨今、グラフをともなった「速さ」の問題がよく出題されています。特に、「へだたりグラフ」は注意が必要です。へだたりグラフとは、動きがある2つのものが近づいたり遠ざかったりする関係性をグラフに表したものです。動きを正確につかむために、ときに進行グラフに書き直してみるなどして、工夫してみると良いでしょう。

田園調布学園中等部

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、大問5問構成です。また、解法プロセスを記述する説明問題も出題されており、定番になっています。2~5の中で、正確な計算力を必要とする問題が散見され、得点差につながったことが予想されます。
出題領域は、頻出の「速さとグラフ」「平面図形」「数列」「グラフの読み取り」で構成され、比較的傾向がはっきりとしている入試問題です。

<これからの学習作戦>

  1. 「グラフの読み取り」を強化する
    水量グラフ進行グラフなど、グラフの読み取りに慣れておくことが必要です。「速さ」「平均」「水量変化」のグラフは特に時間をかけて練習しましょう。グラフは読み取れるだけではなく、自分で作図ができるレベルまで練習できると万全です。
  2. 「数列」は自分で規則性を見出す力を鍛える
    数列問題は基本レベルから応用レベルまで幅広く出題されています。数の規則性が複数あるような数列まで練習することが必要です。また、設問の数列から新たな規則性を見つけるところまで要求されます。書き出すなど試行しながら規則把握につとめましょう。
  3. 解法プロセスを書く習慣をつける
    問題を解く際、必ず式を立てて計算していく習慣をつけましょう。入試問題の解法説明記述は特別なことを問うわけではありません。問題を読んだ後、すぐに計算し始めるのではなく、全体を見渡しながら解いていきましょう。

神奈川学園中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

大問5題。基本的な問題が中心ですが、3以降は答えだけでなく考え方や途中式を書かせる複合問題が出題されます。新傾向として、会話形式の問題が出題されているため、条件の読み落としをしないように精読しましょう。リード文中にヒントとなる条件が書いてあるため、条件整理しながら解いていくと良いです。

<これからの学習作戦>

  1. 確実に正解するための計算力
    計算のスピードアップがはかれると、思考するために時間を費やすことができるため、計算力をつけておくことは大切です。ポイントは、「継続」して計算問題に触れること、式をまとめるなどの「工夫」をすること、限られた「時間」内で正解を導き出すことです。この3点を意識して取り組みましょう。
  2. 条件を整理する
    題意がつかめれば難易度は高くはありません。条件を図に表すなど整理してみましょう。表やグラフ、状況図を描くなど、条件整理することで一気に解答までの道筋をつけることが可能になります。
  3. ていねいに途中式を書く
    考え方や途中式を残す問題が出題されます。これは一朝一夕にはできるようになりません。演習時にはノートに式を残してどのように解いたのか自分で分かるようにしておきましょう。きれいに解く必要はありません。1問1問をていねいに演習しましょう。

慶應義塾湘南藤沢中等部(SFC)

< 傾向 > 45分 100点満点

例年、大問6題構成。問題量は少なくはないため、1問にかける時間が短いです。また、その中で「地道な作業から一般性を導くような」問題が織り交ぜられており、「スピード」を前提として「手際よさ」が強く求められる。年によって、問題の難易度が異なることも1つの傾向です。

<これからの学習作戦>

  1. 規則を見つけて一般化する流れはSFCでは頻出
    数列・周期がからむ問題は頻出テーマです。設問の(1)(2)で得た情報を自分なりに加工して(3)につなげていくような流れが多いです。
  2. 調査or論証
    題意をつかんだ上で、その設問の着地点(答え)までの道筋を想定してみましょう。地道に調査していった方が良いのか、着眼点を見極めて計算していく問題であるのか、その場で決断していくことになるでしょう。制限時間との兼ね合いでそういった決断に迫られます。
    このあたりを意識しながら、過去問を学んでみるとより効果的だと言えます。
  3. 日常そのものが「思考」の連続
    入試問題の特徴の1つとして、日常にあるものを素材にした問題が出題されたりします。「水」に関する出題が多いのは、「流水算」「水位変化」などが身近なテーマであるからでしょう。
    水かさが増し流れが速くなる(流水算)、底面積の変化による高さの推移(水位変化)など。
    日常で当たり前におこっている事象を「なぜ?」と考えてみよう。そして納得するまで調べてみましょう。そういった心がけをすることが、この学校を受験するスタートラインとなるはずです。

神奈川大学附属中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、大問6題構成で、基本的な力が問われる[1]と[2]で全体のおよそ60%を占めています。ここでの失点をいかに防げるかが合否のポイントとなります。また、考え方(理由)の説明やグラフの作成、展開図の記入などの記述問題が1問含まれていることも特徴のひとつです。大問では変化をとらえる力を求められることが多く、グラフを読み取る問題や移動図形の問題は頻出です。

<これからの学習作戦>

  1. 移動図形と作図
    図形の問題は毎年出題されており、特に移動図形は頻出です。変化をとらえた上で与えられた条件下のひとつひとつの図がきちんとかけるかどうかがポイントです。日頃からノートを使ってていねいに作図をすることを心がける必要があります。
  2. 変化をとらえる
    グラフ問題は、毎年のように出題されています。速さや水量変化など、様々な分野と融合されますので、注意が必要です。グラフの変化点で何が起こっているのか、その1つ1つの変化をとらえながら、全体を把握していく必要があります。
  3. 考え方(理由)の記述
    理由を記述する問題が出題されます。この記述問題に対しては特別な対策が必要ということではなく、日頃から「なぜそうなるのか?」を考える習慣があれば十分に対応できる問題だと言えます。

入試問題全体を通して出題領域に偏りがなく、全領域からまんべんなく出題されるため、テキストの例題・類題を理解することが大切です。また日々の計算練習を通して、解法が分かる問題を確実に正解する得点力を身につけておきましょう。

法政大学第二中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、[1]は計算問題が数問、[2]は一行問題が6問程度、[3]以降は大問が4問程度出題されます。[1]は四則混合計算を基本とし、工夫の必要なものや単位の換算などが出題されています。[2]は広い分野からの基本的な問題、[3]以降の大問では難易度の高い問題を含む問題が出題されています。高得点勝負であるため、基本的な問題で確実に得点することを意識しておきましょう。

<これからの学習作戦>

  1. 規則を見つける
    大設問においては、(1)では題意をつかめば解ける問題が多く、まず調査するところからスタートします。調べてみると、例えば、「三角数」がかくれていたりして、規則把握につとめるのが(1)の役割となるでしょう。
  2. 調べた結果をわかりやすくまとめる
    (2)では(1)で調べた結果を表や図などにまとめてみると、さらに全体像がうかびあがってくるでしょう。どんな関係性があるのか調査することで、設問の背景がはっきりと見えてきたりします。
  3. 一般化された式を活用する
    (3)では(2)まででまとめた情報をもとにして、さらにその情報を加工し、新たな法則や計算方法を見出すチカラを要する場面があります。こういった流れを意識できれば、より短時間で正確に求めることができます。

大設問の各小問ごとの取り組み方を紹介しました。入試で必要となるチカラを知ることで学習の方向性が見えてくると思います。いずれも、解くプロセスを大切にすることで、整理しやすくなったり、見えていない法則の発見ができるため、答えさえわかれば良いという考えではなく、途中過程を表現できるようにしておくと良いでしょう。

中央大学附属横浜中学校

< 傾向 > 50分 150点満点

例年、小問数は20問程度で、前半が基本問題、後半は徐々に難易度が高い問題も見られます。全体的には基本~標準レベルの問題が多いため、前半はしっかりと正解し、後半はうまく取捨選択しながら確実に正解数を増やしたいところです。

<これからの学習作戦>

  1. 基本の徹底理解
    「和と差」「割合と比」「速さ」「平面図形の面積・角度」「立体図形の体積・表面積」などが小問集合でよく出題されます。ここを得点源にできるとかなり合格に近づけるので、幅広い分野の基礎力を身につけておきましょう。
  2. 問題の取捨選択
    後半は標準~応用レベルの出題が見られますが、難問・奇問に分類されるような問題の出題はありません。速さ、割合、図形の移動、数論、規則性、場合の数などから幅広く出題され、50分という時間内では解き切れないことが想定される年もあります。例えば各大問の(1)(2)が解けたら(3)も解けそうなのか、(3)はいったんとばすのかということを判断しながら、正解すべき問題を確実に選択していくことが必要です。
  3. ていねいさと複数の解き方を学ぶ姿勢
    後半の問題も出題単元は幅広いため、しぼることはできませんが、「コツコツ調べる問題」や「計算を工夫して解く問題」は頻出です。日頃の学習において、計算をていねいに解くこと、1つの問題に対して複数のアプローチを検討する姿勢が大切です。また、途中式を要求する問題があるということは部分点を獲得できるチャンスです。自分の解法が他者に伝わるような解答を意識しましょう。

青山学院横浜英和中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、[1]と[2]は計算と一行題、[3]~[5]は大問という構成です。比較的問題数が多いため、前半は確実に正解するチカラを要求され、後半はできる問題を選んで解く意識を持つ必要があるでしょう。得点率6割を目指したいところです。

<これからの学習作戦>

  1. 各単元の基本問題を網羅する
    6割を獲得するには、[1]、[2]の計算と一行題を得点源にしたいところです。そのために各単元の基本に該当する問題を確実に正解する力が必要になります。テキストの例題・類題の徹底理解を目指しましょう。
    問題の難易度は全体的にそれほど高くはありません。それぞれの小問も素直な設定となっています。そのため、実力がそのまま点数に反映される入試問題と言えます。難しい問題を解ける必要はありません。苦手な単元を1つでも減らすように幅広く学習しておきましょう。
  2. 「数論」「速さ」「図形」は頻出分野
    本校の大問を飾るのは、主にこの3単元。過去問を活用して、これらの単元のポイントを理解しておくことが大切です。まずは、テキストの例題・類題を深く理解するところからはじめましょう。例題・類題は簡単な問題というわけではなく、その分野の典型的(代表的)な問題が掲載されています。これらをマスターすれば、その積み重ねで、練習問題レベルを自力で解き切る力が手に入ります。

山手学院中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

「和と差」「割合と比」「速さ」「規則性」「場合の数」「図形」といった単元からまんべんなく出題されています。また、問題の難易度は基本~標準レベルの出題が多い印象です。小問数は20題で適量ですが、後半は正解にたどり着くまでに時間がかかる問題が多いことから、「解きづらい」と感じる受験生は少なくないと思われます。

<これからの学習作戦>

  1. 正確な計算力と偏りのない学習を
    出題単元に偏りは見られないため、どの単元も多くの解法に触れて理解を深める学習が必要になります。前半の3割程度は、短時間で正解したい基本的な問題が配置されています。後半に入ると難易度が上がり、計算も複雑になっていくので、ていねいに解く習慣を心がけたいところです。
    したがって、基本的な問題だけでなく、練習量を補完するために、テキストの練習問題にも積極的に取り組み、経験値を上げておくと良いでしょう。
    解答用紙は答えの記入のみなので、正確な計算力は不可欠です。苦手単元を作らない学習と、素早く正確な計算力を身につける学習が大切です。すべての単元をまんべんなく取り組むことを心がけましょう。
  2. 「変化」に注目
    「速さ」「水量」「図形の移動」など、「変化」に注目して解く問題は頻出で、グラフを用いた問題もよく出題されます。グラフから情報を読み取る問題や、移動した図形を作図して解く問題などは数多く練習しておくと良いでしょう。
    「出題形式」や「出題傾向」に慣れておくために、過去問研究が重要です。過去に出題されている問題を演習しながら、問題選択と時間戦略の訓練をしておきましょう。

日本大学中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、[1]で一行問題から始まり、[2]以降は大問の構成です。一行問題でも、原理・原則を捉えて解く問題が出題されます。図形については、平面図形、立体図形ともに頻出です。回転図形や空間認識力を問う思考力を必要とする問題も出題されています。

<これからの学習作戦>

  1. 頻出の図形領域を鍛える
    図形問題は典型図形を身につけておく必要があります。典型図形とは、図形分野を学習するにあたって、はじめに登場する図形のことです。テキストの例題・類題がこれに該当します。
    典型的な図形に見慣れることで、複合図形(さまざまな図が組み合わさった問題)への対応力が身につきます。下記の単元は特に意識して学習しておきましょう。
    ・角度の問題
    ・平面図形の面積比・相似比
    ・図形の平行移動、回転移動
    ・回転体、立体の切断
    ・体積・容積を求める問題
  2. 幅広く学習する
    [1]で出題される単元は幅広く、さまざまな学校が出題する一行問題に触れておくことが対策につながります。経験値を積みながら、基本的な解法の確認をしていきましょう。あらゆる分野の「浅く広い」知識を獲得しながら、苦手な分野を出来る限り減らしておくことが大切です。

関東学院中学校

< 傾向 > 50分 100点満点

例年、全体的に基本を重視した出題内容。一度は触れたことのある問題が出題の対象になっています。大問8題で構成、計算問題は4問(四則計算、計算の工夫、単位換算)出題されています。文章問題は、数の性質、図形の角度や求積、規則性、場合の数などがよく出題される分野になっています。いずれも基本問題を身に付けておくことが合格につながります。

<これからの学習作戦>

  1. 速く正確な計算力をつける
    四則計算、逆算、単位換算などの計算問題が出題されています。普段の勉強で時間を意識した計算練習を心がけ、「短時間で正確に」を目標に練習を重ねることが重要です。また、単位換算は数多くの問題に触れていく中で、徐々に身につけていく感覚で学びましょう。
    「時間」「工夫」「訓練」がキーワードです。
  2. 基本に忠実な勉強を心がける
    テキストの例題、類題レベルを確実に理解しておきましょう。単元に偏らず、浅く広くを意識して、苦手な分野をできるだけ減らしておくことが大切です。算数は、「正解」=「理解できた」わけではありません。問題の解法を他者に説明できるレベルになったとき、深く理解できたということになります。
  3. 問題を見極めるチカラ
    多くはありませんが、難易度が高い設問が随所に散りばめられています。その問題で合否が決まるわけではありませんので、得点できる問題を選びながら進めていく必要があります。すぐに解法がわからない問題があれば、一旦回避して、他の「答えまで導いた問題」で確実に得点できているか点検(見直し)することも1つの作戦でしょう。

湘南学園中学校

< 傾向 > 50分 150点満点

例年、[1]計算問題、[2]小問集合、[3]以降は大問という構成です。単元をまたいだ複合的な出題は少なく、単元ごとに独立した出題をする傾向にあります。グラフの読み取り問題は頻出です。

<これからの学習作戦>

  1. 一行問題対応力
    [2]の一行問題は、場合の数・平均・濃度・図形(角度)・速さ・割合・約数・割合・仕事算などと幅広く出題されています。ここで確実に得点できるように、幅広く基礎固めをしておくことが大切です。
  2. 出題傾向に沿った対策
    例年、[3]は平面図形、[4]は立体図形、[5]はグラフ問題、[6]は数論が出題されています。単元傾向がはっきりとしているため、日頃から意識して学習に取り組みましょう。
    特に平面図形は、求積や角度、相似など幅広く出題されます。典型図形(テキストの例題レベル)の解法を獲得した上で、数多くの問題に触れながら慣れておきましょう。また、グラフは速さ、水量変化、点の移動などの分野と融合されるものです。グラフの変化点で何が起こっているのかを考えながら解き進めていきましょう。
  3. 調べて整理するチカラ
    [6]数論分野からの出題は、調査しながら規則を見つけていく問題が出題されています。題意をつかんだ上で、(1)の設問から順に調べていきましょう。調査結果を自分なりに図や表にまとめていくことで、(2)以降の見通しがつくはずです。

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