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受験対策ブログ

中学入試 国語 出題作品紹介 3作品 -夏の体温・「人それぞれ」がさみしい・ココロノナカノノノ-

ひと夏の友だちの“気遣い”

出題作品

夏の体温

夏の体温
書名:夏の体温
著者:瀬尾 まいこ
刊行日:2022/03/17

出題校

暁星中学校、鷗友学園女子中学校、神奈川大学附属中学校、専修大学松戸中学校

出題ページ

P80 壮太だ・・・・・・。
鷗友学園女子中学校 専修大学松戸中学校 出題

あらすじ

人と人との“出会い”による様々なドラマを描いた3編の物語集です。
※うち1編「曇りの向こう」は中学国語教科書に掲載。

ポイント

今回は「夏の体温」からの出題で、経過観察のため小児科病院に長期入院している小学3年生の高倉瑛介のもとに、検査のために夏の間短期入院する同学年の田波壮太がやって来ます。
“遊びの天才”壮太の遊びの数々は、今まで退屈な日々を過ごしてきた瑛介に潤いを与えていきますが、壮太の退院でそれもわずか2日間で終わりを告げます。

問題は、その夜、瑛介が病院のプレイルーム (児童の遊び場)の箱の中にたくさんの紙飛行機を見つけたときに発した言葉で、そのときの壮太の”気遣い”や瑛介の気持ちを記述します。自分が先に退院することで 瑛介が寂しさを感じると思い、少しでも気が紛れるようにと多くの紙飛行機を置いていき、そしてその気遣いに瑛介も深く感動した、ということを記述します。

わずかな間でも“出会い”は人を大きく変えることがあります。これからの人生、多くのよき“出会い”を大切にしていってほしいです。

関係を 無難に収める “人それぞれ”

出題作品

「人それぞれ」がさみしい 「やさしく・冷たい」人間関係を考える (ちくまプリマー新書 392)

「人それぞれ」がさみしい 「やさしく・冷たい」人間関係を考える (ちくまプリマー新書 392)
書名:「人それぞれ」がさみしい 「やさしく・冷たい」人間関係を考える
著者:石田 光規
刊行日:2022/01/07

出題校

鎌倉学園中学校、富士見中学校、芝浦工業大学柏中学校、森村学園中等部、文教大学付属中学校

出題ページ

P43 コミュニケーションにまつわる人々の不安
鎌倉学園中学校 森村学園中等部 出題

あらすじ

昨今耳にする機会が増えた“人それぞれ”という言葉から見えてくる息苦しさや問題などを考える論説文です。

ポイント

今回は「『人それぞれ』のなかで遠のいていく本音」からの出題で、人と人とが結びつくために必要なコミュニケーションは昔と異なり、現在はより“感情”の濃さに左右されがちであると述べられています。
相手に“良い”か“悪い”かの感情を持つことで関係が左右される危ういつながりにおいて、現代人はコミュニケーションに不安を抱えています。

問題は、その不安がどのようなものかを答えさせるもので、相手との良い関係を持続するためにどうすればいいのかわからない、ということを答えます。そしてその不安を解消するために無難で波風を立てずに済む“人それぞれ”という言葉が使われるようになったのです。

昨今の多様性尊重の風潮により、以前にも増してより個人尊重の風潮が高まり、より無難なつきあいが求められるようですが、それを超えた“一人の人間”として、良い悪いもすべて受け止めるような人づきあいも今こそ必要であると思います。

“心の中”の 現在と未来

出題作品

ココロノナカノノノ (飛ぶ教室の本)

ココロノナカノノノ (飛ぶ教室の本)
書名:ココロノナカノノノ
著者:戸森 しるこ
刊行日:2023/09/15

出題校

洗足学園中学校 香蘭女学校中等科

出題ページ

P19 そう思った瞬間、 胸の中がチクリとした気がした。
洗足学園中学校 出題

あらすじ

双子の姉として一人だけ生を受けた少女が心の拠り所としている “心の中の妹”と、母親に宿った新たな命への感情を描いた物語です。

ポイント

今回は「はじまりのおそば」からの出題で、中学一年生の少女、毛利寧音は、本来双子として生まれるはずだった妹“野乃”の存在を今でも感じています。
野乃の声やにおいを感じるなど、寧音だけには野乃”が身近にいるのですが、ある日、母親からお腹に新たな命が宿ったことを聞かされます。

問題は、このときの寧音の心情を説明するもので、“本当の”姉になることはうれしいが、一方で今まで大切に思ってきた野乃の存在をないがしろにしたくないという複雑な気持ちになった、ということを記述します。

この章ではまだ下のきょうだいは登場しませんが、寧音が姉として確かに感じる“心の中の野乃”が、そしてこれから生まれてくる妹(弟)の存在への感情が描かれており、絶妙な心情描写は中学入試題材としてかなり上質な問題が作成されています。

執筆:国大Qゼミ中学受験コース 国語科 亀田 昌彦
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