受験対策ブログ
中学入試 国語 出題作品紹介 3作品 -シャンシャン、夏だより・きみの話を聞かせてくれよ・増えるものたちの進化生物学-
夏の出会いと 前向く“決意”
出題作品
シャンシャン、夏だより (文学の扉)
書名:シャンシャン、夏だより
著者:浅野 竜
刊行日:2022/05/19
出題校
桐朋中学校、高輪中学校、跡見学園中学校
出題ページ
P155 クマゼミの激しい鳴き声は、ぼくにむかってそういっているようにきこえた。
高輪中学校 出題
あらすじ
町では見つけることが難しい“クマゼミ”を探しに行く小学生たちのひと夏を描いた物語です。
ポイント
今回は最終章「あまえるやつは、ぶっとばす」からの出題です。
千葉県の小学6年生、土田野歩人(ノビタ)は、転校生の川村ちとせや加茂原裕一 (カモッチ)とともにクマゼミを探して夏休みの自由研究の題材にしようとしますが、ちとせは父親のトラブルが原因で転校してしまいます。
野歩人はそのことを引きずってなかなか立ち直れずにいましたが、そのちとせから電話があったことを知り、野歩人は再び気持ちを取り直します。
問題は、クマゼミの鳴き声が誰のどんな決意を暗示しているかを問うものでした。ちとせがいなくなったことをいつまでも引きずるのではなく、周りがどんなに変わっても、生まれついたこの場所で精一杯生きていこうという野歩人の“決意”を記述します。
落ち込むことやつらいこともあると思いますが、それは精一杯生きているという証(あかし)でもあります。その経験を力に変えて、前を向く“決意”をして成長していきましょう。
“らしさ”なんて 勝手に決めるな!

出題作品
きみの話を聞かせてくれよ (フレーベル館文学の森 32)
書名:きみの話を聞かせてくれよ
著者:村上 雅郁
刊行日:2023/04/07
出題校
駒場東邦中学校、昭和女子大学附属昭和中学校、立教女学院中学校、横浜雙葉中学校、日本大学第三中学校
出題ページ
P100 今までずっと押さえこんできた思いが明確な言葉となって夕日の下に響く。
駒場東邦中学校、昭和女子大学附属昭和中学校 出題
あらすじ
新船中学校に通う少年少女たちの“心のうち”を語る7編の物語です。
ポイント
今回は「タルトタタンの作り方」からの出題で、お菓子作りが趣味の中学1年生男子、轟虎之助(とらのすけ)が先輩の女子、祇園寺羽紗(ぎおんじ うさ)から「タルトタタン(リンゴの焼き菓子)の作り方を教えてほしい」と頼まれます。
日頃から「男子なのにお菓子作りが好きなんて……」という目で見られていることにもやもやしていた虎之助は、「女子なのに男子のようにかっこいい」と言われている羽紗に“他人からイメージを押しつけられている”という点で共感します。
問題は、虎之助の「明確な言葉」となった心情を説明させる問いで、今まで他人から“らしさ”を押しつけられて何も言えなかったが、羽紗と悩みを共有したことで、ありのままの自分でいることの大切さに気づき、他人から押しつけられた“らしさ”へしっかり反対の意思を示した、ということを答えます。
“多様性”がクローズアップされ広まりを見せるようになりましたが、“らしさ”を押しつけられることなく、“ありのままの自分”を自由に示すことができる世の中になってほしいものです。
食肉にも“共感力”?

出題作品
増えるものたちの進化生物学 (ちくまプリマー新書 423)
書名:増えるものたちの進化生物学
著者:市橋 伯一
刊行日:2023/04/07
出題校
学習院中等科、カリタス女子中学校、山脇学園中学校、青山学院中等部、青山学院横浜英和中学校
出題ページ
P104 人間のやさしさの拡張傾向はやさしさの由来を考えると少し不思議ではあります。
カリタス女子中学校 出題
あらすじ
生物に許された“増える”という現象と、そこから生まれる様々な悩みの中から“生きる価値”を考える説明文です。
ポイント
今回は「なぜ他人が気になるのか」という、他者に対する“やさしさ”を考える章からの出題です。
人間が持つ“共感能力”からやさしさが生まれるものの、その対象が食肉用のウシやブタにまで及び、イヌやネコなどと同じように生物として意識して食べられなくなっているという統計があると述べています。
問題は、その人間のやさしさの拡張傾向がなぜ不思議なのかを考える問いでした。そもそも人間は子孫を増やすために仲間と協力し合い、食料を生産したり分かち合うことが“やさしさ”だったのですが、現在ではそのやさしさが人間以外にも向くようになり、イヌやネコ、果ては食肉動物など、“共感能力“の幅が広かっていった、ということを答えます。
“やさしさ”の本質を考えるというなかなか難解なテーマではありますが、人間が生きていくためにはどこまで“共感”するところなのかを判断していくことが大切なのだと思います。
中学入試 国語 出題作品紹介 3作品 -透明なルール・野生生物は「やさしさ」だけで守れるか?・百年の子-自分を縛る“透明なルール” 出題作品 透明なルール 書名:透明なルール 著者: 佐藤 いつ子 刊行日:2024/04/24 出題校 城北中学…
中学入試 国語 出題作品紹介 3作品 -夏の体温・「人それぞれ」がさみしい・ココロノナカノノノ-ひと夏の友だちの“気遣い” 出題作品 夏の体温 書名:夏の体温 著者:瀬尾 まいこ 刊行日:2022/03/17 出題校 暁星中学校、鷗友…
中学入試 国語 出題作品紹介 私たちのサステイナビリティ 工藤尚悟地球は 私“たち”で 考えよう! 出題作品 私たちのサステイナビリティ まもり,つくり,次世代につなげる (岩波ジュニア新書 948) …
中学入試 国語 出題作品紹介 空をこえて七星のかなた 加納朋子“星の子”たちの 苦悩と生き方 出題作品 空をこえて七星のかなた (集英社文庫(日本)) 書名:空をこえて七星のかなた 著者:加納 …
中学入試 国語 出題作品紹介 ミライの授業 瀧本哲史偉人に学べ!“疑う力” 出題作品 ミライの授業 書名:ミライの授業 著者:瀧本 哲史 刊行日:2016/7/1 出題校 攻玉社中学校、日…



小学生が自主的に多読できる読書プログラム