
私は高校卒業まで福島で育ち、大学受験をきっかけに上京した。東京の私立大学への進学は、自分にとって良い経験だったと今も感じている。
ただ、人によって大切にしたい価値観は本当にさまざまだ。表題のように「MARCH」か「地元の国公立」かで悩む人も多いと思う。高校で努力を積み重ねてきた人なら、どちらも現実的な選択肢になるだろう。もちろん、どちらが“正解”という話ではない。いずれも立派で、努力の先にある道だ。今回は、自分の体験も交えながら考えてみたい。
地方国公立を選ぶメリット・デメリット
メリットは、生活の基盤を整えやすいことだ(決して入学が楽という意味ではない)。地元に残り「地方国公立 → 公務員 or 地元の優良企業」というルートは、地域ではとても堅実で安心感のある道だ。夫婦ともにこのルートなら、地元で頼られる存在になることもある。
また、地元だからこそ得られる居心地の良さもある。必要以上に他者と競い合う環境ではないため、自分のペースで過ごしやすい。大学の雰囲気も落ち着いていて、似た価値観の仲間と4年間を過ごせる点も魅力だ。
さらに、地元では国公立大学への評価が高い。偏差値だけでは測れない“地域での信頼感”がある。
一方でデメリットもある。華やかな学生生活はあまり期待しづらい。キャンパスが郊外にあることも多く、都会の刺激を受けながら学ぶ生活とは少し違う。また、いわゆる“超トップ層”は旧帝大に進むため、周囲の学力層は比較的安定しているものの、突出した刺激が少ないと感じることもある。
MARCHを選ぶメリット・デメリット
メリットは、色とりどりの人に出会える点だ。一般入試で入った人、一芸に秀でた人、経済的に恵まれた人、本当にさまざまな背景をもつ学生が集まる。地方では出会わなかった価値観に触れることは、大学生活の醍醐味でもある。
また、早慶ほど張り詰めてはいない一方、程よいレベル感があり、学業と自由な時間のバランスが取りやすい人もいる。
デメリットとしては、“上には上がいる”ことを実感しやすい環境だ。超難関大の学生や、すでに事業を始めている同世代など、圧倒される相手に出会うこともある。地元での評価が大きかった人ほど、最初は気持ちが揺れるかもしれない。
また、住む場所やアルバイト、就職先まで選択肢が多く、迷いが生まれやすい点もある。自由度の高さは魅力でもあり、難しさでもある。
まとめ〜後悔しにくい進路選びをするために〜
ここまで見てきたように、地方国公立にもMARCHにも、それぞれ違った魅力がある。
では、どちらを選べば後悔しにくいのか。
一つの基準になるのが、「大学4年間で何を優先したいか」 だ。
たとえば、地元での安心した暮らしや、価値観の近い仲間との落ち着いた生活を大切にしたいなら、地方国公立はとても良い選択肢になる。
逆に、さまざまな価値観に触れながら自分を試したい、環境の変化を楽しみたいと思うなら、MARCHのような都市部の大学が合っているかもしれない。
もう一つの基準は、「どんな失敗なら自分は許せるか」 という視点だ。
上京して戸惑うことがあっても、それを経験値として受け止められるなら飛び込む価値は大きい。
逆に、環境の変化が大きなストレスになりそうなら、地元で力を伸ばす方が良い選択になる。
進路選びには“正解”はないけれど、自分の優先順位を知ること、
そして 「自分の選択を、自分で誇れるか」 を考えることが、後悔を減らしてくれる。
今回の記事が、読み手が自分の未来を描くヒントになれば嬉しい。
どちらの道を選んでも、歩き方次第で必ず成長し、出会いがあり、人生は豊かになっていく。



