いきなりなんだと思うかもしれない。
しかし、塾業界にいる者の端くれとして、そのように感じ、そして説を立証したいのである。

別に、今の早慶理工が評価されていないという訳ではない。しかし、難易度の割に見合った評価をされていないのではないかとついつい考えてしまうのである。
幾つか根拠を述べるので、是非この記事を楽しんで読んでいただければ幸いだ。

根拠①「イメージ」

早慶理工は文系と比べて地味だ（日本の理系全体に言えることだけど・・）。
特に早慶は文系が花形であり、「総合商社、メガバンク、コンサル、メディア・・・」など、世間でかなりちやほやされる業界・企業に就職するものが多い。教授も発信力がある人が多く、メディアにも引っ張りだこな人もいる。立地も、慶應は港区の三田、早稲田は新宿区の高田馬場と、一等地にある。

早慶は「華がある」、「キラキラしている」、「楽しそう」というイメージがあるが、それらは主に、文系学部からその印象が生まれているのではなかろうか？
理工はどうしても、文系を比較すると、地味で少し隠れてしまっているイメージだ。（慶應理工のキャンパスは、駅から遠くて、坂の昇り降りも大変だし・・・。※朝1限の登校だと大変）

根拠②「理系と文系間の学力差」

あまり意識している人も少ないかと思うが、日本において文系と理系の学力差はある。
理系は「英語もそこそこできる」集団であり、文系は「英語しかできない」集団ともいえる。

「wakatte.tv」では、理系と文系の偏差値差は「5！」もあると言っている。印象論で語るのもあれなので、根拠となるデータを以下にしめす。

大手教育会社のベネッセが作成したデータ「参照先【2025年度共通テスト】文系・理系で平均点上昇、出願は「強気」傾向に？｜ベネッセ教育情報」だが、過去10年一貫して、理系の方が文系よりも平均点が高いことが読み取れる。もちろん、科目の違いもあるが、全体の傾向として理系の方が「学力が高い」と読み取れるだろう。

また、もう一つの根拠としては、同じ大学で「理系と文系の偏差値」が違うという点である。

例えば「河合塾」を参考にすると、早稲田文系で最も偏差値が高いのは、「政治政経学部」の「偏差値70」である。同大学の理系だと、「基幹理工、先進理工」の「偏差値67.5」だ。

慶應も文系は「総合政策学部」の「偏差値70」、理系は「理工」の「偏差値65」だ。

同じ大学なら、理系と文系の偏差値も同じになりそうである。しかし、文系の方が偏差値が高く出がちなのは、文系の方が母集団の水準が全体的に低いからではないか？（逆に、理系は母集団の水準が総じて高いからこそ、文系より偏差値が低く出がちでなかろうか？）

私の体感としても、理系の子は「理系を選べた」に対して、文系の子は「文系しか選べなかった」という感覚がある。
だからこそ、早慶理工は「偏差値」という意味でも過小評価されがちだ。

根拠③「科目数」

正直、これが一番でかい！
早慶文系は基本3教科（英語・国語・社会）だ。慶應は国語の代わりに小論文だ。

それに対して、理系は4教科だ！
問題のレベルが同じと仮定すると、勉強量は約1.3倍になる。文系でも一般入試で入るには「3,000時間」以上必要と言われているが、理系だと更に「1,000」時間、追加で勉強する必要がある。科目数＝勉強量＝難易度だ。

根拠③「受験チャンス」

早慶文系は確かに難しい。しかし、何個も学部を受験することが可能だ。
つまり、数打ちゃ当たる戦法である。それで何とかなる人もいる。

しかし、理系は1つしか受験できない。つまり、チャンスも1回のみだ。その場限りのチャンスだ。心理的ハードルも高い。

国公立の併願先としても、理系はハードルが高い。早慶を併願するような生徒は、難関国公立（旧帝大、一橋、東京科学等）だろう。

これら9つの難関国公立の内、文系の定員と理系の定員は半々だ。しかし、早慶だと、文系の定員は理系のそれより2倍ある。つまり、難関国公立を目指す理系生徒にとって、文系と比較して早慶の定員は実質的に半分しかないという感覚だ。

まとめ

以上のように、早慶理工は過小評価されがちだと考えている。実際に受験をしてみないと本当の難易度が分かりにくいとも言えるだろう。
しかし、だからこそそんな早慶理工に行きたいのであれば、塾業界の端くれとして応援させてほしい。

社会階層が高い場所では、早慶理工の難しさは認知されているし、就職実績も素晴らしい。また、都会にある大学だからこそ、東京の先進的な考え方やアイデアに触れることもできる。個人的に非常におすすめの大学だ。

これから、このように大学受験情報について定期的に発信していきたい。拙い文章であるが、読んでいただければ幸いだ。