なぜ、標高の高い地域でバナナやトマトを栽培すると高糖度になるのですか?(科学ハンターさん)

甘そうないちご

最近、フルーツトマトなど、糖分が多いことで人気が出ている野菜やくだものがふえています。野菜などにふくまれる糖分は、もともと光合成というはたらきでつくられたデンプンが変化したものです。ですから甘くするためにはデンプンを多くし、できるだけ水分をへらすことが重要です。

トマトは、もともと南アメリカのアンデス山脈ふきんの、涼しくかわいた環境で育っていた植物です。
そのような高地では、昼と夜の気温の差が大きいため、ゆっくりと成長しながらたくさんのデンプンをたくわえることができます。
甘いバナナはフィリピンの高地で栽培されていますが、日本でつくられているトマトは平地でもつくられています。
しかも、フルーツトマトとして売られているトマトは、大きさは小さいですが、ふつうのトマトとまったく同じ品種であり、育て方がちがうだけです。

日本の暑い夏にふつうに育てると、成長が早く栄養分も多くなりますが、水っぽくなり、あまり甘くはなりません。
ですから、甘いトマトをつくるのため、冬から春の涼しい時期に、与える水をぎりぎりにへらした環境で育てます。
その場合、温度をたもち、よぶんな雨があたらないようにするためにビニールハウスを使いますが、それ以外にもトマトの根がのびすぎないように地下をシートでおおうという工夫もしています。
そうすることで、大きさはふつうのトマトの半分ぐらいになり、水ぽっさが少なく甘いトマトが育ちます。
でも、そのような苦労をして育てた甘いトマトは、夏の暑い時期に育てたトマトにくらべるとビタミンやリコピンなどの栄養が少ないといえます。

おいしさで選ぶか、栄養で選ぶか、大いになやむところですね。

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