2023年度 中学入試 算数の傾向について

こんにちは。
国大Qゼミ、中学受験コース算数科です。

毎日新聞の記事によると、2023年の首都圏における私立・国立の中学受験者数は推定5万2600人、過去最多を更新し、受験者数は9年連続で増加したようです。

中高一貫校のカリキュラム、コロナ対応の柔軟さ、算数1教科入試の受験者数増加などが背景にあるとのこと。
今回は、算数を通して見えた2023年度入試の特徴についてお伝えしたいと思います。

問われていることは「本質的な理解」

本年度の入試を見渡したとき、基本的な知識を持ち合わせていれば自然に解くことができる問題が多かったと分析します。

特別な知識を持ちあわせている、あるいは反復練習(いわゆる受験テクニックも含まれます)によって経験値を最大限まで引き上げた生徒だけが有利にはたらく難易度設定ではなく、極めて基本に忠実に学習し、解法の背景を理解している(公式丸暗記ではない)生徒の多くが報われるような問題が多かったということです。

これは、算数の難問対策をする必要がないというわけではありません。

平均点が大きく上昇していない背景には、知っていれば有利に働くという従来型の難問とはその質の点で大きく異なり、最小限の知識で論理的な思考を要する出題が多いことが背景にあるからでしょう。

したがって、過負荷な基本問題の反復演習が必ず功を奏するとも限りません。
学習する喜びを味わいながら、算数の論理そのものの楽しさをより多く体感している子を求めているのでしょう。

受験算数において難問には明確な定義はありません。

典型的な問題以外を難問と呼ぶとしたら、学校研究を重ねて学校ごとの典型題を研究し尽くせば、その学校における難問は少なくなります。

今まではこのような学習方法が重視されてきましたが、これから先、本質的な理解が試される良問が出題のメインになれば、学校別対策の意義や在り方も変わり、算数本来の論理をじっくりと楽しむ学び方が大切になってくるでしょう。

そもそも誠実に学習に臨んでいる子にとって、解く糸口・視点が難しい問題にあたることで思考をさらに研ぎ澄ませたいという好奇心は至極当然の流れです。

国大Qゼミ公式サイトには、中学入試の算数分析を行うページがあります。
主要校の注目問題をご紹介するとともに、今後の合格対策も掲載しております。
そちらも、ぜひ、これからの学びの羅針盤にしていただければと思います。

中学入試 算数分析ページはこちら

さいごに

2023年度入試、大きな混乱なく終了しました。
今年はインフルエンザの流行も重なり、昨年と同様に厳戒態勢での入試となりましたが、ゼミ生は個々のチカラを大いに発揮して合格を勝ち取っております。

算数を通して、受験生へのサポートの充実をはかっていきたいところです。

中学受験コースでは、入試後すぐに新学期がスタートして、算数のみならず他教科においても新しいカリキュラム・教材のもと、新たな1年がスタートしています。

本年度より、国大Qゼミでは小学5年生対象の前期選抜土曜特訓が開講します。

カリキュラムだけでなく指導体制も刷新しながら、子どもたちとさらに算数を深めてまいりたいと考えております。

また新たに始まる1年。
私たちも学び続けます。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

執筆者:森島 拓也
国大Qゼミ中学受験コース 教務責任者

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