高校受験対策に有利!数学の勉強法2

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数学っておもしろい!成績が上がる勉強法

数学に苦手意識を持ってしまうと、これからの進路選択の幅を狭めてしまい、大変もったいないです。

数学は、基礎をしっかり築いておくと、応用が利き、問題を解くのがおもしろいと思えるようになります。

中学校で学ぶ範囲が数学の基礎になりますので、一つひとつ足元を固めていく勉強法を身につけていきましょう。

さらに後半では高校受験へ向けた対策についてもお話します。

1.数学が苦手…そう思い込むのはまだ早い

数学が苦手という人の中には、単に思い込んでいるだけのことはありませんか?
数学の独特の概念に難しさを感じることも確かに少なくないと思います。

たとえば、マイナスとマイナスの掛け算がプラスになるという理由をサラッと説明するのは難しいですね。
また、数学は小学生の頃からの学習の積み重ねなので、九九や分数、図形や比例などで苦労したという場合、中学に入ってから急に難易度が上がり、不安になってしまった人もいるでしょう。

もし中学になって急に苦手意識を持ち始めた、という人がいたら、中学1年生の教科書を見直すところから始めましょう。

文字の式と方程式の区別はついていますか?
グラフや平面図形を自分で作図できますか?

理解が進まない単元がはっきりしている場合は、その単元の前に学習した内容を見直します。
大丈夫です。初めて読んだ時より理解できますよ。

2.何から手を付けたらいい?

どんな教科も共通することですが、テストは「理解できているものと理解できていないものを分ける」というとても重要な目的があります。

まずは一番最近受けたテスト、定期テストや模試といった、計算問題から応用問題まで出題されているテストの答案を見てみましょう。

さて、どんな問題にバツがついていますか?
または最後の問題まで解き切れましたか?手つかずで解いていない問題はありますか?

その答案の中で、バツが付いている問題は、あなたの理解が不十分な単元を含んだ問題です。手を付けるのは、そのバツが付いた問題であり、まさにそれが伸びしろです

いまその場で解いてみましょう。解けましたか?やっぱり解けませんか?
解説を見てみましょう。解説が理解できたら、もう一度ノートに解いてみましょう。

成績を上げるために一番すべきことは、一度やってバツだった問題をおさらいすること。
そして一度間違えた問題を、二度と間違えないようにすること。
成績が伸び悩む人はこれができていないことが多いです。

正解が導けたら、「ここに気づいたら○○の法則で解ける!」と解き方のポイントを一行、自分のことばでコメントを書き込んでみましょう。
これが解法のパターンを身につけるコツです。

もし、解説を読んでも理解できなかったら、学校や塾の先生に質問してみてください。類似の問題も解けたら、解法が身に付いた証拠ですね。

時間が足りなくて手つかずの問題があるなら、前半の解答に時間をかけすぎているということですね。
計算のスピードアップや、問題を見て解き方がすぐに思い浮かべられるよう、類似の解法パターンにたくさん触れるようにしましょう。

3.日々の勉強は「学校の授業」を主軸に

成績を上げたいなら、当たり前ですが学校の授業を真剣に取り組むことから始めます。
まずその50分間の授業の中で、分からないところがない状態で授業を終えることを目標にしてください。

理解が高まる学校の授業の受け方、明日からできる3つの実践ポイントを紹介します。

  1. 授業前に今日の学習範囲をチェックしておく
    予習の時間なんてない!という人でも授業前の休み時間のほんの数分、教科書の今日の授業範囲の数ページをながめることはできそうです。自分なりの注目ポイントがあらかじめ分かっていると、前後の話の流れがスムーズに頭の中に入ってきて、理解が深まります。
  2. 先生への質問を考えながら授業を聴く
    この公式はここがマイナスだったらどうなる?なぜここに直線を引く?など、先生に質問するつもりで授業を聴くと眠くならず、内容が頭に入ってくるのでとてもお勧めです。ちょっとした引っかかりでも、気になったら先生に質問しましょう。手を上げて質問するのが恥ずかしかったら、メモをしておいて授業後に質問をしに行くのでも良いです。
  3. 宿題はその日のうちに済ませる
    応用問題や発展問題は宿題になることが多いですね。学習したことが理解ができているかどうか試す、最初のテストだと思って、その日か遅くとも翌日のうちにじっくりと解いて、必ず期限までに提出しましょう。知識が新しいうちに復習すると定着しやいことがメリットです。

中学生は部活や習い事で忙しいですが、平日でも1-2時間は時間をとって宿題だけでもいいので勉強時間を確保しましょう。

◇ 休日は計画的に過ごす

休みの日は時間がある分、取り掛かるのに時間がかかるということはありませんか?
できれば、前日のうちに休日のスケジュールを決めるようにしましょう。

数学のように頭を使う教科は、起床後の午前中に取り組むと進めやすく、社会や英単語などの覚える学習は夜寝る前が定着しやすいといいます。

そういった「学習に適した時間帯」も考慮しながら、午前中の空いている時間に2時間数学、午後に英語と理科…など振り分けます。
数学と英語は宿題をやって、理科は先週やった○ページの練習問題の見直しをしよう、というように、なるべくやることを具体的に決めておくと実行しやすいですよ。

難しい発展問題、参考書の練習問題、定期テストや模試の見直しも、じっくり時間を取ってやってみてください。

また、図形や二次関数のグラフをフリーハンドで良いので自分のノートにどんどん作図しましょう。
問題を一読した後に、交わる点はどこか、傾きや角度はどれくらいか、そういったことを気にしながら書こうとすると、問題の意図とポイントが頭に入ってきます。
作図して解答できたら、自分の考えをあれこれ書き込んでみてください。ノートは大胆に使うことをお勧めします。文章問題なら一問1ページ(それ以上も)使うつもりで。

4.やっかいな問題にも解法がある

数学でもっとも厄介な、あるいは生徒から不人気な問題ベスト1が証明問題です。
理由は簡単。面倒だから(ですよね)。
でも証明問題も解法パターンがあります。
基本形は、与えられたヒントから連想できる別の事実を導き、証明に必要な条件を集めるという型です。
例えば、2つの三角形が合同であることを証明する問題をやってみましょう。
砂時計みたいなタイプの問題を例に挙げます。

与えられた仮定は2つ。

①AB=CD
②AB//CD

これらから△ABO≡△DCO(合同)を証明します。
まずは、合同を証明するための条件を頭に思い浮かべます。

(1)3辺の長さが等しい
(2)2辺の長さとその間の角の大きさが等しい
(3)1辺の長さとその両端の角の大きさが等しい

このいずれかが成り立てばよいですよね。

では与えられた仮定はどの合同条件に当てはまるでしょうか?この問いがとても大切です。
図をよく見て、仮定②のAB、CDの線分が平行する2本の線であり、その両端の角度が「錯角」になる、と思いつきましたか?

「平行線と錯角は等しい」という定理を思い出し、錯角が2つ、長さの等しい1辺(仮定①)により、合同条件の(3)が使える!と分かれば、あとは文章にするだけです。
では証明してみましょう。

1つだけ、最初の決まり文句は覚えておいてください。
証明すべき図形を明示する言い方です。
つまりこれ↓

「△ABOと△DCOについて」

あとはわかっていることを書いてみます。

AB=CD(仮定①)・・・①
∠A=∠D(仮定②より、平行線の錯角)・・・②
∠B=∠C(同上)・・・③

それぞれに番号を振ったら、この3つから三角形の合同条件が成立すると言えばよいです。

①②③より、1辺の長さとその両端の角の大きさが等しいから
△ABO≡△DCO (証明終)

これでおしまいです。

厳密に言えば、∠A=∠Dあたりも、∠BAO=∠CDOと表記すべき、とか、〔結論〕〔仮定〕〔証明〕などと明示して証明すべきなど、修正点はありますが、細かいことは一旦置いておいて、とにかく「証明は思ったほど複雑ではない」ということをわかってもらえたくて、説明してみました。

証明問題を解答するには、三角形の合同条件や相似条件、平行四辺形の性質や各種図形の定義など、図形問題特有のルールを公式的に覚えておく必要があります
いい証明ができるための準備として、しっかり頭に叩き込んでください。
ルール(公式や定理)を覚えておき、解き方の基本に沿って、それぞれの問題に応じて対応していく、これがやっかいな問題に対峙していく基本姿勢です。
公式を覚えて解法パターンが身に付くまで練習せよ、というのはこのためなんですね。

5.合格に近づく勉強法とスケジュールの立て方

高校受験を控えた3年生の夏休みは最後の復習のチャンスです。
1年生、2年生の教科書の発展問題だけを全部やってみる、計算問題は時間を計ってやってみるなど、理解度とスピードを上げる訓練に時間を使いましょう。平方根の計算、解の公式などは手が覚えてしまうほど使いこなせるようにしておきたいです。
3年生の1学期までは、日々学習する単元を完全に自分のものにしてください。

3年生の夏休み明けからは、公立入試や志望校の過去問を徹底的に解いていきます

この場合も、時間を計りながら解きます。
実際の試験時間内でどれくらい解けるのか試してみましょう。
最初は解ききらないことが多いですが、大丈夫です。
繰り返し解いていけば慣れていきます。この慣れがとても大切です。

最初のうちは全問を解いてみて、大問ごとに解き終わるまでの時間を計って記録しておく方法でも良いです。
各大問ごとに要した時間を合計した結果、試験時間をオーバーしていたら、もっと早く解く訓練が必要ですね。

答え合わせをして間違っていた問題は解説をよく理解して、もう一度解きます
覚えちゃったからもう一度解くのは意味がない、と思わないでください。
特に一度間違えた問題や解けなかった問題は、何度も自分の手でノートに書きこんでいくと、もっと理解が深まりますよ。

過去問は1度解いたら終わりではなく、時間をおいて2度、3度解きましょう。

◇ 中堅校は演習問題中心、ケアレスミスをなくす

中堅校を受ける場合は、基本計算で絶対にミスがないように安定度を高めたいです。
そのためには計算問題の演習が必要になります。
公立入試の過去問から計算問題だけを片っ端から解くのがまず最初に考えられる方法。
計算問題だけを集めた問題集がありますから、それを手に入れ、解きまくる方がよいですね。

四則演算(+-×÷)の乗算と除算を先にする原則、小数点の桁数、分数の計算など、大人も見落とす人が多いケアレスミスの定番です。
こういった「ケアレスミスのあるある」も頭に入れておくと、安定して得点できるようになりますよ。

過去問、実力テストの演習形式の問題は、間違った問題をノートにまとめておきます。
しっかり解説を読み、二度と間違わないように繰り返し見直しましょう。

◇ 私立校は過去問で傾向をつかむ

私立校の場合はクセのある問題(複雑すぎていやになってしまうもの)を出題するところもあるので、過去問をたくさん解いて、傾向をつかんでください。
対策はしにくいものの、クセの強さに驚かないくらいの慣れは必要だということです。

◇ 公立高校の特色検査は問題への慣れが大事

神奈川県の公立トップ校の特色検査の問題は、中学生のみなさんがそれまで解いたことのないような独特な問題です。
複数の教科の総合的な力が試される問題になっているので、過去問や特色検査に特化した模試、問題集などの活用が有効です。

これらの問題も解いたら解説をしっかりと理解すること。分からない点はどんどん先生に質問しましょう。
いろいろなパターンの問題に触れておき、問題の意図と、解き方の道すじをすぐにつけられるよう、対応力を高めておくことが大切です。

試験日までの月単位で大まかにスケジュールを立てられたら、週単位で何をするのかを書き出し、決して無理はせず、日々の勉強のペースを崩さないように着実に進めましょう。

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