大学受験英語 模試結果を活用した学習法

大学受験を目指して頑張っている皆さん。模試の結果が返ってきたとき、どう感じますか?

「よっしゃ!良い結果だ!」とホッと一安心したり、逆に「うわ、結果がイマイチだ…」と落ち込んでしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし、模試の本当の価値は、その点数や判定そのものにあるわけではないんです。模試は、今の自分の実力と、志望校に合格するために必要な実力の間に、どれくらいの「ギャップ」があるのかを知るための、いわば「今の自分を映し出す鏡」であり、これからの学習計画を立てるための「貴重なデータ」なんです。

このブログでは英語を例にとり、模試結果を活用して、志望校合格へと突き進むための効果的な学習法をお伝えしていきますね。

第1部:模試結果の正しい分析方法

1.1 判定と偏差値から読み取るべきこと

模試の結果で一番最初に目がいってしまうのは、やっぱり志望校の「判定」ですよね。多くの模試では、A~Eの5段階で示されます。A判定は合格可能性80%以上、E判定は合格可能性20%以下がおおよその目安です。
「E判定だった…もうダメかも」と感じてしまう人もいるかもしれません。でも、心配しないでください。実は、E判定から逆転合格を果たす人は決して珍しくないのです。高校3年生の9月にE判定だったけれど、たった3ヶ月でA判定まで偏差値を伸ばして現役合格した先輩もいます。判定はあくまで「今の時点でのデータ」に過ぎません。

次に、自分の実力が全体の中でどの位置にあるかを示す「偏差値」があります。偏差値50が全国平均で、偏差値60以上は上位15%以内、40台は平均より少し下、という意味です。
ここで一つ、大切なポイントがあります。それは、偏差値は「点数の高さ」とイコールではないということです。例えば、あなたが100点満点中80点を取ったとしても、周りの受験生もみんな80点以上だったら、偏差値は低く出てしまうことがあります。逆に、60点しか取れなくても、平均点が40点だったら偏差値は高く出ることもあるのです。
このように、模試の難易度や受験者のレベルによって偏差値は変動するものですから、数字だけに振り回されるのはもったいないですよね。それよりも、「この模試が、今の自分にどんな課題を教えてくれたか」という点に注目することが何よりも大切なんです。

1.2 志望校の傾向と合わせた分野別成績の分析

模試の成績表で、皆さんに一番活用してほしいのが「分野別成績」の項目です。ここには、今後の学習計画を立てるための具体的なヒントがぎゅっと詰まっています。
まずは、以下のステップで分析を進めてみましょう。

  1. 自分の弱点を見つける:設問ごとの得点率や分野別の成績を見て、どの分野(単語、文法、読解、リスニングなど)が苦手なのか、さらにその中のどの単元が弱いのかを洗い出します。
  2. 志望校の配点と比べる:成績表に配点比率が書いていない場合は、志望校の入試要項などを自分で調べてみましょう。
    この「配点比率」というデータは、受験勉強における「賢い時間の使い方」を考える上で欠かせません。苦手な分野をただ闇雲に頑張るだけでは、非効率な学習になってしまうこともあります。例えば、長文読解の配点が高い大学を目指すなら、文法に少し弱点があっても、まずは長文読解の弱点克服を最優先で進めるべきですよね。もし文法問題の配点が低いのであれば、最低限の基礎固めにとどめて、より配点の高い分野に時間をかける方が合格に近づく賢い選択になります。

1.3 模試結果の記録と推移の確認

模試は一度受けたら終わりではありません。複数回受験して、その結果を記録し続けることがとても重要です。この記録は、あなたの学習方法が正しいかどうかを判断する「道しるべ」となり、やる気を保つための強力なツールにもなります。

もし偏差値が少しずつでも上がっていることが目に見えてわかれば、「このやり方で合ってるんだ!」と自信になり、勉強がもっと楽しくなります。逆に、もし成績が停滞していても、その記録から「どの時期に」「どの科目が」停滞したのかというパターンを見つけ出し、その原因を分析するヒントになります。模試結果を記録し、振り返り、修正するというサイクルを確立すること。これこそが、模試を最大限に活用する本当の目的と言えるでしょう。

第2部:模試の復習方法とミスの分析

2.1 なぜ、ただの答え合わせでは不十分なのか

模試の復習を、ただ「正解・不正解の確認」や「解答の丸暗記」だけで済ませていませんか?それはとてももったいないことなんです。模試から得られる最も価値のある情報は、正解した問題ではなく、「なぜ間違えてしまったのか」という原因にあります。

復習とは、自分の考え方と模範解答の考え方を比べて、そのズレを徹底的に分析し、次へと繋がる改善策を見つけ出す、一番大切なプロセスです。時間が経つと「どうしてこう答えたんだっけ?」と自分の思考プロセスを忘れてしまうので、模試当日の夜や翌日には自己採点と復習を始めるのがおすすめです。

2.2 模試のミスをパターン別に分類する

間違えた問題を個別に考えるのではなく、その原因を「知識不足」「読解力不足」「時間配分失敗」「ケアレスミス」の4つのパターンに分けて考えてみましょう。そうすることで、効率的な学習計画を立てることができます。

  1. 知識不足
    原因:単語、熟語、文法などの基礎知識が足りていないことです。
    対策:普段使っている単語帳に載っている単語は最優先で覚え直しましょう。単語を覚えるには、一度にたくさん覚えようとするよりも、毎日少しずつ、繰り返して触れる回数を増やすことが効果的です。文法に弱点が見つかったら、短期集中で一気に復習に取り組むのが良いでしょう。
  2. 読解力不足
    精読力不足:英文の構造(主語や動詞など)が正確に把握できず、意味をきちんと理解できない状態です。
    対策:長文を細かく区切って、わからない単語を調べたり、文の構造を分析したりしながら、文章を一つひとつ丁寧に読んでいく「精読」がおすすめです。
    速読力不足:時間内に文章を読み切れない状態です。「読むのが遅いから」と安易に考えがちですが、根本的な原因は、精読力や語彙力など、基礎力が足りないことにある場合が多いです。
    対策:速読力を上げるためには、日本語に訳さずに英語をそのまま理解する「英語脳」を鍛えることが大切です。そのために「音読」や「シャドーイング」がとても効果的で。
  3. 時間配分失敗
    原因:苦手な大問に時間をかけすぎたり、解く順番を間違えたりすることです。
    対策:模試や過去問を解く際に、大問ごとにどれくらい時間がかかったかを記録し、目標時間とのギャップを把握しましょう。
  4. ケアレスミス
    原因:問題文や設問の読み間違い、マークミスなど、ささいなミスです。
    対策:ケアレスミスも「なぜ発生したか」という原因を突き止めることが重要です 。原因がわかれば、例えば「問題文の最後に線を引くようにする」「計算は丁寧に書く」といった具体的な対策を立てることができます。

2.3 弱点を克服するための「模試ノート」の活用

模試で間違えた問題や、原因分析で見つかった課題を、「模試ノート」にまとめてみましょう。このノートは、あなたの「思考のクセ」や「知識の穴」を記録した、あなただけの「最高の参考書」になります。

ノートには、次の3点を記録してみてください。
1.できなかった単元や分野と、その原因(なぜ間違えたのか)
2.今後同じミスをしないための具体的な対策
3.次の模試で目標とする点数

頭の中で考えていることは時間が経つと忘れてしまいますが、文字として書き出すことで、具体的な行動に繋がり、学力を確実に上げることができます。

第3部:弱点克服に向けた具体的な学習計画

3.1 基礎力の強化:英語の土台を固める語彙・文法学習

英語学習において、語彙と文法は全ての土台となります。これらが不十分な状態では、長文やリスニングで高得点を取るのは難しいですよね。

語彙・熟語:一度に大量に覚えようとするのではなく、毎日少しずつ、継続する習慣が一番大切です 。単語帳を何度も繰り返し、覚えた単語には印をつけるなどの工夫をすると、効率よく復習できます。

文法・語法:模試で弱点が見つかった場合は、文法全体を短期集中で一気に復習するのが効果的です。

3.2 読解力を高めるための学習ステップ

読解力を向上させるためには、以下のステップを意識して学習を進めるのがおすすめです。

ステップ1:精読力の徹底強化

目的:一文一文の構造を正確に把握し、複雑な英文でも意味を正確に理解する力を養います。

ステップ2:速読力のトレーニング

多読の習慣化:自分のレベルに合った英文を毎日少しずつ読む習慣をつけましょう。
音読・シャドーイング:英文を日本語に訳さずに、英語の語順で理解する「英語脳」を鍛えるトレーニングです。

3.3 リスニング力の向上:音の壁を乗り越える

リスニングで失点が多い場合は、以下の2つのトレーニングが特に効果的です。

シャドーイング:

目的:聞こえてくる英語音声のすぐ後を追って発声するトレーニングです。この訓練により、音と単語・フレーズが結びつき、音声を知覚する力が自動的に鍛えられます。

ディクテーション:

目的:英語音声を聞き取り、書き起こすトレーニングです。これにより、「聞こえない音」を特定し、その原因(知らない単語や音声変化など)を突き止めることができます 。慣れないうちは、一文ずつ音声を止めながら書き取ったり、穴埋め形式から始めたりするのがおすすめです。

第4部:学習計画の習慣化と継続

4.1 計画を確実に実行するための4つのポイント

どんなに良い学習計画も、実行できなければ意味がありませんよね。以下の4つのポイントを守ることで、計画を「絵に描いた餅」にせず、確実に成果に繋げることができます。

  1. 具体的な目標設定:ただ「苦手科目を勉強する」ではなく、「この問題集の〇〇章を、〇日までに8割正解できるようにする」といった、具体的で達成可能な目標を立てましょう。
  2. 無理のないスケジュールと「予備日」の設定:完璧に詰め込みすぎた計画は、少しでも予定が狂うとやる気がなくなり、挫折の原因になります。体調不良や急な用事が入ることもありますから、あらかじめ「予備日」を設定しておくことで、安心して学習を続けられます。
  3. 勉強内容の「見える化」と「記録」:1日や1週間の終わりに、「何を」「どれくらい」やったかを記録することで、進捗を把握でき、達成感も得られます。
  4. 定期的な「振り返り」と軌道修正:計画は「立てて終わり」ではありません。週単位や月単位で定期的に振り返り、進捗や課題を再確認して、必要に応じて柔軟に修正していきましょう。

おわりに:模試から得た学びを力に変える

模試の結果に一喜一憂し、不安に押しつぶされそうになる気持ちはよくわかります。でも、模試の結果は決して「おしまい」ではありません。それは、「これから何をすべきか」を教えてくれる、最高のスタート地点なんです。

模試の結果から見つかった課題を一つ一つ着実にクリアしていくことで、成績は必ず向上します。模試を活用した学習の習慣づけは日々の学習や過去問演習にも役立ち、最終目標である志望校合格への一歩となるでしょう。E判定から逆転合格を果たした先輩たちが多く存在するように、努力の積み重ねは必ず結果に結びつきます。さあ、模試で得た学びを力に変えて、合格に向かって一緒に頑張りましょう!

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