第202回「建築学科のリアル」受験・授業・課題を現役学生が解説

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「建築学科は入ってからが忙しいよ」「建築学科は意外と難しいよ」という噂を聞くことがあると思います。
そこで今回は建築学科のリアルを現役建築学科2年生が語っていきます。

受験から入学まで

他の学科を志望している人と同様、いくつかの受験方法があります。
「一般入試」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」「指定校推薦」などが挙げられると思います。建築学科特有の対策を求められることは少ないですが、早稲田大学のデッサン試験であったり、総合型選抜の立体造形など特殊な対策を求められる場合もないわけではないので、自分の志望校の試験課題を良くチェックしてください。

また、建築学科あるあるとして、私大に建築学科が無い場合があるので自然と競争率が上がることがあります(例えば慶應大や中央大には建築学科という名称の学科が存在しません)。

合格が決まったら、入学式の準備や一人暮らしするために物件を探すなどしましょう。余力があれば好きな建築を巡ってみたり旅に出たりしてみてください。

大体の場合2年生までには設計課題と言われるものが始まると思うのでその時に建築を見たり旅をした経験が生きる時が来ます。

入学から2年生の現在まで

入学すると「解析学」や「物理学」など理系学生が初めに触れる科目は建築学科も扱います。
建築特有の授業として「建築史」と呼ばれる建築の歴史を扱ったり、「構造解析」という建築構造を成り立たせるために必要な物理計算(モーメントや支点反力など物理に近い感じです)をする授業があります。

そして建築学科の十八番ともいえる授業が建築設計の授業です。
学校によっては「デザインスタジオ」「設計演習」「建築設計」など様々な呼び方をすると思います。
この授業は特定のテーマに対して建築を通してその答えに解答するという授業です。例えば「住宅」という課題が出されたら自分の作りたい住宅を作る(提案する)というものです。
大抵の場合いきなり提出ということはなく、エスキスという自分の思考プロセスを整理する日をいくつか設けて最終提出に向けて作業していきます。

建築学科が忙しいと言われるワケ

以上が建築学科の受験から現在までの大まかな流れですが文面だけ見ると忙しくなさそうに見えます。
しかし全国の建築学生が忙しいと叫んでいるのはひとつひとつの理由が積み重なっているためです。それは

  • 基本的にゼロからアイデアを考えているため終わるまでに時間がかかる
  • 課題提出間際にいい案が浮かぶことがある
  • 基本的に建築を考えることに時間を割くため時間があるようでない
  • 模型材料や製図道具が高くお金がかかる
  • お金がないためバイトをする

などいくつかの要因が重なり合うことで忙しくなります。

つまり「建築を考えることに時間を使いたいけど、それを進めるにはお金がかかるためバイトをしなければいけない。しかしバイトをすると建築に向き合う時間がなくなる。」という負のループに陥る建築学生が後を絶たないわけです。

建築模型を提出するだけではなく、プレゼンテーションボード(プレボ)という図面やパースを書く紙を印刷する必要があるなど、最終提出までにやることが多く「やばい、終わんない」が口癖になります。
しかし建築を学びたくて来る学生が多く、設計課題が好きじゃなくても建築を学ぶことは楽しいと感じる人も多いので、この大変さを楽しみつつ建築学生ライフを過ごしてください!

ちなみに僕は建築学科に入ったことを後悔していません!
自分を信じて頑張ってください!

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