国大Qゼミ

受験勉強が子どもの
人生を左右する!?
それって本当?

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小学生のための教育ブログ

はじめに

「受験勉強が子どもの人生を左右する。」
学歴が重視される日本社会では、長らくそのような意見が大多数を占めてきました。

しかし、現在でも本当にその意見は正しいのでしょうか?
時代の変化する速度が速くなり、多様性が求められるようになった現代では、必ずしも受験だけが全てではないという意見も存在します。

そこで今回は、経営コンサルタントの大前研一さんが唱える「人生を変える3つの方法」を紹介し、「人生の選択」という視点から受験勉強の意義を考えていきます。

これから迎えるお子さまの受験活動の方向性を検討する一助になれば幸いです。

時間の使い方を変える

この方法は、最も取り組みやすい方法です。
だれでも、いつでも、取り組みを始めようと思えば始められるからです。

取り組む内容は単純です。
誰にも等しく与えられている「時間」を、大切なことに使い、ムダなことに使わないということを心がけるだけで人生を変えていくことができます。

例えば、あなたが毎日テレビを見ているとしましょう。
そのうちの30分を英会話の勉強に充てるように変えたとしましょう。

この行動の変化は、十分に人生を変える力を持っています。
毎日30分ずつの積み重ねが一年後の英会話力を上達させることになるでしょう。
英語を話せることが、人生を変える出会いにつながっていく可能性があるでしょう

1日で、あなたが使い方を変えられる時間はどれくらいありますか?

テレビやYouTubeを見たり、漫画を読んだりしている時間。
うたた寝をしている通勤や通学の電車内での時間。
惰性でなんとなくつき合っている友人との時間。

そう考えると、目標達成に使える時間は意外とあると気づくはずです。
その時間を有効活用するのが、人生を変える1つ目の方法です。

住む場所を変える

この方法を実践するためには、ある程度の覚悟と資金が必要です。
しかし、一度実践してしまえば継続していくことはそれほど難しくありません。

先程の英会話を例にすれば、留学することがこの方法にあたります。

数々の誘惑をはねのけて時間の使い方を変えなくても、生活環境そのものが英会話上達につながっていきます。
必然的に上達する環境に自分の身を置くことにより、強制的に人生を変えていくのです。

同じ日本の中でも、様々な環境があります。

ゆったりとしたコミュニティもあれば、競争の激しいコミュニティもあります。
その中から目標達成のためになるものを選択するのが、人生を変える2つ目の方法です。

つき合う人間を変える

この方法で変えていくのは、つき合う人間です。

心理学には「ミラーリング効果」と呼ばれるものがあります。
現在のあなたの姿はこれまでにつき合ってきた人間の影響を受けて作られているとされています。
周囲の人間は年収にも影響を与え、個人の年収は最も親しい5人の友人の平均額になるとも言われます。

また、つき合う人間を誤ってしまうと、いじめなど人生に深刻な影を落とす問題に発展することもあります。
そのような事態に陥らないためにも、つき合う人間は注意して選択することが大切です。

つまり、「友人を選ぶ」ことは「人生を選ぶ」ことと同じ意味なのです。
つき合う人間を断捨離することは決して容易なことはではありませんが、その選択を行っていくことが人生を変える3つ目の方法です。

「人生の選択」という
視点から見た受験勉強

ここまで3つの方法を説明してお気づきになったかもしれませんが、「受験勉強」はこの3つの要素すべてを兼ね備えています。

時間配分は、進学する学校に大きな影響を受けます。
通学や授業時間、宿題量などにより、必然的に時間の使い道はしぼられていきます。

さらに、文系や理系など、学習のどの部分に重点が置かれているかによっても時間の使い方は影響を受け、それは本人の人生にも大きな影響を与えます。

学生にとって1日の大半を過ごす学校を選択することは、住む場所を選択することと同じです。

学校の周辺や通学の環境から受ける影響もあるが、もっとも大きな影響は学校自体から受けることになります。

学校の物的な設備はもちろん、目には見えない「校風」もその人格形成の大きな影響を与えることは間違いありません。

自由な環境で生活を送るか、規律ある環境で生活を送るかによって、まったく違った人間に育っていくでしょう。

進学によりそれまでの人間関係は一度リセットされ、再構築されていきます。

そして、その再構築された人間関係のなかで学校生活を送り、そのコミュニティが持つ色に染まっていくことになります。
この人間関係が、人生に一番大きな影響を与えるといっても過言ではありません。

そして、どのような人間関係のコミュニティを選択できるのかは「受験勉強」にかかっているのです。

まとめ

「受験勉強」は「人生の方向性を決める機会」です。

大人になった後にそのような機会がない訳ではありませんが、その時点で人生を大きく変えるにはかなりの労力と犠牲が必要になります。

人生の序盤戦での「受験勉強」を「人生を選択する機会」と捉え、学校選びや受験勉強のあり方を考えていくことが、その後の人生に大きな影響を与えていきます。

何も考えずに難関校を目指すのではなく、より良い人生を選択するための「受験勉強」に取り組んでいきましょう。

● 執筆者 荒屋剛志(あらやつよし)

株式会社理究 取締役 学習塾事業部(国大Qゼミ)を統括
学生時代から塾一筋三十数年 小学生から高校生まで
数英国理社全科目対応
保護者セミナー企画の開催、
自らも話す