
小学生の英語学習はその先の英語学習にどの程度有効なのでしょうか。
小学校で必修化になる英語、率直な疑問として効果があるのだろうか。
今回、有識者に聞いた。
1.私立小の元校長に聞く!理想の英語教育
2.母親がわが子にことばを教えるような指導法
3.英語が伝わる喜び
4.まとめ
1.私立小の元校長に聞く!理想の英語教育
神奈川県内新設の公立中高一貫校で、中3生の英検準2級合格率を9割まで高め、全国屈指の英語強化校に育て上げたある私立小学校の元校長は次のように語っています。
「文法面など教科的な部分では、小学生の英語学習経験はほぼ関係ありません。
中学から英語を始めた子の方が理解が早い場合もあります」
ただ、こうも語っています。
「発音や会話などコミュニケーションの道具として英語を使いこなせているかどうかという点では、幼小期の英語体験のある子が勝ります」
2.母親がわが子にことばを教えるような指導法
元校長の話を聞いて思い浮かぶ小学校があります。
「好きな相手に気持ちを伝えたい」というモチベーションを重視して小学校低学年の英語教育に取り組んでいる学校です。
八景島や海の公園も近く、自然豊かな環境のある私立小学校です。
英語科の先生はこども園の英語指導も担当していますが、それは「英語の授業」というよりも、母親がわが子にことばを教えるようなものでした。
子どものことばや思いを受け止め、心をつなぐことを大切にしているそうです。
3.英語を話す必然性
低学年の授業をのぞいてみました。
教師があらかじめ用意した、たくさんの「素敵なもの」「楽しいもの」を児童に見せています。
見た側ではそれを誰かに伝えたい気持ちが沸々とわき上がるようです。
伝える「誰か」はここでは、宣教師の先生です。
ネイティブの英語教師でもある彼らは子どもたちに大人気です。
「これ先生知ってるかな?」
「先生は何て言うかな?」
「早く言いたい!」
ここに英語を話す必然性が生まれ、伝わった喜びが実感されるわけです。
これがさらに英語でのコミュニケーション意欲につながっていくのです。
また、同校では、敷地内に大学院までが隣接しているという環境を生かし、英語教育のスムーズな接続と指導連携が図られています。
園児から高校生までが参加する「英語フェスティバル」はその成果発表の一つです。
4.まとめ
小学校内に留まらず、学園全体で可能な限り英語の学習環境を広げようとするこの取り組みが、数年後にどんな成果をもたらすかがとても楽しみです。