AIに学ぼう!国語のおすすめ勉強法7(教科書が読めない子どもたち)

人工知能イメージ

AIの性能を上げている場合ではない。中高生の読解力を高めなければならない

広告会社の電通と静岡大学が共同開発したAIによるコピーライターAICO(アイコ)のプログラミングを国語の学習法に役立てないか考えてみるシリーズの7回目です。

前回は、AIに入試問題を解かせて、東大合格を目指すプロジェクト(東ロボくん)を紹介しました。

1. 数学には強いAI、しかし国語は

大学入試の模擬テストで数学の問題をAIに解かせたところ、偏差値76を出すまでの秀才ぶりを発揮して、合否判定は全国の大学の8割にあたる472の大学で「合格率80%以上」のA判定を獲得しました。

しかし、同じ模擬テストで国語の読解問題を解かせたところ、あまりよい結果が出せず、このプロジェクトは終わりました。

文章の「中身」を読むことに関して、現在のAI技術ではまったく対応できないのです。

AIは統計的な判断で問題を解いているだけで、「意味」を理解せず解くので、子どもでもわかるレベルの常識的な判断がAIにはできなかったのです。

2. やっぱり人間にはかなわないのか

この結果を見て「やっぱり人間はAIよりすごいんだ!」という結論でこのブログシリーズを終わらせたいところですが、実はそうでもありません。

AIは文章の意味をわかって読んではいない。それなのに全国の8割の大学で、模試の合格率判定で80%を出す。
ということは、AIより受験生が読めていないことになる。

そこで、東ロボくんの開発者・新井紀子教授は、中高生の読解力を調査したところ、中高生よりAIの方が文章を読めている事実に直面したそうです。

AI vs. 教科書が読めない子どもたち

「AIの性能を上げている場合ではない。中高生の読解力を高めなければならない」と考え、新井教授は現在、中高生の読解力向上を目指して調査・研究をしているのです。

3. 問題文の中に解答が書いてあるのに、正解できない人が3割

新井教授らによる中高生の読解力調査はどういうものかというと、全国2万5000人の中高校生を対象として、教科書をベースに1,000問以上の問題を作成し、日本語の文を読んで意味が理解できるかを測るものでした。

その出題例をあげます。例えば、次の問題ですが、対象者の約3割が正答を選べなかったそうです。

以下の文を読みなさい。

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適切なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

オセアニアに広がっているのは(   )である

①ヒンドゥー教
②キリスト教
③イスラム教
④仏教

正解、②キリスト教

全国中学生の正答率62%、高校生正答率72%

文章をしっかり読めば、答えは「キリスト教」とわかります。

問題文の中に解答が書いてあるにもかかわらず、文章を正しく読み取れないで誤答する生徒がかなりの割合でいるわけです。

同じように設問の中に正解がある他の問題でも、一定の割合で間違える生徒が存在していたそうです。

4. AIと同じように中高生も文章読解を苦手

新井教授はこの結果に対してショックを受けたそうです。

「計算の正確さと暗記の正しさで人間がAIに負けることは何も問題はなく、人間はAIを使って生産性を上げていけばいい。
しかし、(AIが苦手な読解力を伸ばさずに)AIが得意とする分野で人間が対抗しても勝てないだろう」と述べています。

AIが進歩して社会に浸透していくなかで、人間は人間らしい読解力、意味を理解する能力を深めていく必要があるでしょう。
しかし、現状はまったく文章を読まず意味を理解していないAIと同じように中高生も文章読解を苦手としているのです。

AI時代到来を目前にひかえて、まず中高生が教科書が読めるレベルの読解力を身につけることが現状を見たときの課題です。
では、どうすれば国語ができるようになるのでしょう。

それもできれば、これからの時代、AIには身につけられない方法で国語の力を身につけたいものです。

次回はその具体策をひとつ示してこのシリーズを完結させます。

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