AIに学ぼう! 国語のおすすめ勉強法2(記憶の研究最前線)

人工知能イメージ

AICOの勉強法

広告会社の電通と静岡大学が共同開発したAI(人工知能)のコピーライターAICO(アイコ)。

AICOにプログラミングされている仕組みから、コピー(広告に使用される文)と同じく言葉をあつかう国語の勉強に役立つヒントを見つけてようというシリーズの今回は2回目です。

2回目はAICOのしくみを見ながら、人間の記憶のしかたについて考えてみます。

それでは、AICOのしくみをまずおさらいしましょう。

青空文庫(電子図書館)の本に出てくる言葉を大量暗記した。
②ことわざや言葉遣いを大量暗記した。
③自然言語処理のアルゴリズムを活用した。

1. AICOもまず暗記から始めた

人間でいえば①と②は、本や参考書をたくさん読んで語彙を増やすことにあたります。

料理をするとき、材料がなければ調理には取りかかれないようにAICOも材料となる言葉を記憶していないと、コピーの作成はできません。

このためコピーの材料になる言葉をあらかじめたくさん記憶する必要があるわけです。

2. 人間も根性で単純暗記をしよう

人間も理屈は同じです。

言葉の暗記なくして、言葉をあつかうことはできません。
暗記は単純で地道な勉強です。

しっかり覚えるためには、繰り返し行う必要もあります。
当然単調な勉強になりがちです。

避けては通れないので、ここは根性でやるところです。
と言いたいのですが・・・・・・

私たちはコンピューターの膨大な言葉のインプット能力をこのAICOに見せつけられました。
AICOが2万のコピーを大量作成できる背景には、言葉の膨大な記憶量があることは想像がつきます。

ではAICOは「根性」で記憶したのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。

AICOの記憶方法をヒントに、人間ならではの方法はないか探っていきましょう。

3. 最新の記憶の研究からわかったこと

最新の研究でわかっているのは、人はさまざまな記憶を、別々の神経細胞のかたまり(ニューロン群)に収納しており、別々の記憶をオーバーラップ(二重写し)させることで、たぐり出すようにして、記憶を思い出しているということです。

このメカニズムを応用して、まったく関係のない2つのできごとを人工的にオーバーラップさせて、1つのできごとの中で起こったように思い出させることも可能だろうと研究が進んでいるようです。

例えば、その場所にいなかった人をいたように記憶を作り変え、思い出させることができるだろうという話です。

日経サイエンス 2017年11月号

4. 言葉は他の記憶と関連付けして記憶される

人は言葉を他のものと関連付けさせて記憶し、たぐり寄せるようにして思い出しているわけです。

たとえば、あなたが「ノスタルジー(郷愁・追憶)」という言葉を新しく覚えたとしまょう。
単純暗記するのではなく、「郷愁」「追憶」という「昔を懐かしむ」という言葉の意味と関連付けて覚えることでしょう。

頭の中では、言葉の意味で他の記憶との関連付けが起こるのです。
ですから「小学校入学前に行ったいなかの風景」や、「引っ越してしまった幼なじみ」のことなどと、今新しく覚えたばかりの「ノスタルジー」という言葉とが関連付けされて記憶されるでしょう。

このように、わたしたちは新しく言葉を覚えるとき、その言葉から想像をふくらましたり、発想を転換して他の記憶と関連付けるのが人間の特徴です。
言葉を「文字」や「意味」だけで単純に記憶しているわけではなく、他の言葉や過去の体験など大きな記憶のネットワークの中にひとつに新しい言葉を追加するように記憶していきます。

5. 人の記憶法を活用した勉強法とは

コンピューターと人の記憶のしかたを比べて、見えてくる「国語の勉強に役立つヒント」は何でしょう。

人間には単純暗記だけではなく、人間ならではの記憶のメカニズムを応用した言葉の覚え方があります。
すでに持っている記憶とこれから新しく覚える言葉を結びつけるような勉強です。

単純暗記ではないこのような「発想」「創造」の領域へつなげる人間ならではの学習方法を追求していくこと。
それが、これから人工知能時代だとも言われる中、コンピューターにできない領域でわたしたちが活躍するためのカギになると考えます。

次回は人間の記憶方法の応用して、具体的な勉強法をご紹介します。「短文作成」による語彙定着法、そして、その語彙を使った表現力養成法です。

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