令和2年度 特色検査分析

神奈川県公立高校 適性検査分析

問題構成

●共通問題

問1 英語の読解問題
問2 国語の文章読解

●選択問題

問3 複合:読解・社会(地理)・数学(平面図形)・美術
⇒湘南・柏陽・川和・希望ヶ丘・大和・小田原・横須賀・横浜平沼・鎌倉・茅ヶ崎北陵

問4 複合:国語(俳句・ことば)・数学(空間図形)・パズル的思考・論理的思考
⇒川和・横浜緑ヶ丘・多摩・光陵

問5 複合:数学(数・空間図形)・社会(地理)・論理的思考
⇒湘南・平塚江南

問6 技術(論理回路)
⇒横浜翠嵐・柏陽・厚木・希望ヶ丘・大和・横須賀・小田原・横浜平沼 茅ヶ崎北陵
平塚江南

問7 社会(地理・公民)・理科(天気)
⇒横浜翠嵐・厚木・横浜緑ヶ丘・多摩・光陵・鎌倉

<総評>
昨年度からの大きな変更点としてまず挙げられるのは問題量の大幅な増加です。
昨年度の横浜翠嵐高校が全14ページ、湘南高校が全15ページであったのに対し、今年度は各学校19~20ページと大きく増加しています。単純計算で1ページ3分で解く必要があり、読解の速度や判断力、処理能力が求められているといえるでしょう。しかし、全体を通して見たときに、知識問題は2問しかありません【問4(イ)のivと問7(ア)】。
その他の問題は文章や図などから読み取ることで解くことができる問題です。昨年より計算力を要求される問題も減少しており、今年度の特色検査は『論理的思考力』『読解力』『処理能力』の3点の力が要求されるテストであったといえます。

<これから受験をする生徒さんへ ずばり対策方法>
入試に対応出来る英語力は一朝一夕で身につく物ではありません。学年に応じた①単語力・②基礎文法力を確実に積み上げ、その上に③英作文力・④英文読解力(速読力)を構築しなければ、全く歯が立たない問題です。ただ逆に言えば中学で習得すべき英語力が定着していれば、目標点はクリアできる問題です。今の自分は上記①~④のどこにいるのかを分析し、早速今日からその克服に向けた「継続的」な勉強を始めましょう!

各大問ごとの分析

●共通問題1:各5点×5問 計25点

メインテーマは英語の長文読解です。解く過程で容積の計算や気体と液体の体積の変化などの知識は要求されますが、いずれも学力検査で一定の得点を取ることができる生徒にとっては常識レベルの知識ですので、大きな障壁とはならないでしょう。また、注釈も充実しているので、問題の難易度としても高いとはいえないでしょう。この問題をいかに速く解き終われるかが高得点の鍵といえるでしょう。

●共通問題2:各5点×5問 計25点

メインテーマは国語の読解です。「ボランティア」を題材とした2つの文章を読み、書く文章に対する問題への解答と、文章Ⅰ・Ⅱをまとめた問題へ解答する形式で、これは昨年度から継続出題となります。通常の読解問題に近い問題ですが、選択肢の選別はやはり一段レベルが上になります。また、最後には数学の「場合の数」の単元からの出題がありますが、こちらについては選択肢も2通り~16通りと大きな数字ではないので、数えて求めるのが正解といえるでしょう。

Point:共通問題は1問の配点が5点と高いですが、ここで50点近くまで取り切れるかが合否の分かれ目となりそうです。

●選択問題3:3点×3問、4点×4問(1問完答) 計25点

トリックアートの話から地球儀と地図における違いに話がつながる問題でした。透視図法に関する問題が出題されますが、本文中に解説もあるため、知識が必要な問題ではありません(学校の授業を覚えていると簡単に解けます)。この問題では球体である地球儀上での進み方と平面上の地図上での進み方の違いを問う問題が出題されており、普段から地球儀と地図を見比べて学習をしていた方には有利な問題でした。
正距方位図法の中心に問題ごとに戻りながら考えるところで引っかかった人が多そうです。
選択問題の中では1番難易度が低い問題でした。

●選択問題4:2点×4問(1問完答)、3点×1問(完答)、4点×1問、5点×2問(1問完答)計25点

文系(論理的思考)と理系(空間図形・パズル的思考)のバランスが取れている問題でした。文系の問題は一貫して論理的な思考が問われており、文章自体は決して長くありませんが、しっかりと読んだ上で問題に取り掛かる必要があります。また、(イ)のivに関しては四字熟語の知識が要求されていました。理系の問題では昨年度と同じく展開図から組み立てた図を考えて解くものが1つとパズル的な思考の問題でした。図形の方の問題の難易度は高くありませんが、展開図から完成形をイメージするタイプの問題は神奈川県の数学の入試問題での出題頻度は多くないため、+αの対策が必要でしょう。また、パズル的な思考の問題では何より「やってみる」ことが必要です。それぞれのパターンで当てはめてみて、問題の条件を満たさないものを除外していく作業を進めていく必要があります。上手く文字を置くなど工夫が必要となります。

●問5

前半が空間図形と数の問題です。図形の問題では神奈川県の数学の入試問題での出題があまりない形式での出題でした。問4と同様に県入試という範囲に限らない対策が必要です。数の問題では理系というよりも論理的な思考を問う問題といえます。数学が苦手でもひるまずに取り組むことができれば、実は難易度はそこまで高くありません。後半は2つとも読解による論理的思考の問題といえます。中1地理の「ケッペンの気候区分」の図が出ているため一見すると地理の問題の様に見えますが、この問題も知識は必要なく、論理的な整合性が失われない選択肢を選ぶことができれば問題がありません。また、この大問では20字以内の記述も出題されました。

●問6:3点×2問、4点×1問、5点×3問 計25点

コンピュータの処理に関する出題でした。科目区分としては技術になります。文章が長くややこしいので苦労しますが、時間をかければ解けない問題ではありません。ただ、他の問題を解いてきている中で、現実的にはあまり時間をかけられないと思います。問6では大問の中でも解きやすいものを判断し、その問題をまず解くという判断力が要求されます。今回の問題では(エ)は時間がかかりますが、その他はさほど難しくありません。順番に全て解くことだけが正解ではないので、日ごろから自身の実力をしっかりと把握し、問題の取捨選択をする癖をつけておくことが必要といえるでしょう。

●問7:3点×4問、4点×2問(1問完答)、5点×1問(記述) 計25点

冒頭(ア)については知識と論理的思考が要求される問題でした。また、時差に関係する問題も出題されておりメインテーマは地理といえるでしょう。加えて公民分野からの出題や数学(旅人算)、理科(天気)の20~30字の記述など、問6と同様に時間のかかる問題でした。記述については指定語句で8文字分あるのでそこまで大変ではありませんが、資料を読み取り要求された解答を作成することは簡単ではない問題でした。

【対策】
素材文のテーマが難解なものが多く、文章自体も通常の国語の授業やテストで目にするものよりは一段階上のレベルのものが多く出題されます。文章中に解くために必要な情報が埋もれているため、特色の文章読解力が国語の対策だけでは対応するのが難しいといえます。以前より科目を横断するような学習が必要とは言われ続けてきましたが、今年度の出題の様子をみると科目に限らず学年を横断するような、より難解な文章に慣れておく必要性が高いでしょう。また、技能科目に関係する出題については知識がなくとも対応ができる問題ではありますが、学校の授業で理解を深めておくとより簡単に解くことができるため、日々の技能科目についての授業の重要性も高まっています。計算に関しては極端に難しいもの、複雑な出題はあまり見られません。ただ、選択問題で選択肢の選別の際に計算が必要となる問題は昨年度に出題されているため、概算で計算するコツを早い段階で知り、実践しておくと安心です。加えて、数問ではありますが、共通問題となる前の特色検査の問題と類似する解法の問題の出題も見られました。過去問の演習も決して無駄ではありませんが、問題の選別は必須です(厚木や湘南、平塚江南、希望が丘[図形]などは近いといえるでしょう)。
特色検査については、どの科目・単元でも神奈川県の学力検査への対策だけでは不十分です。難易度の問題ではなく、より多種多様な解法を知っていることが必要となります。県入試の対策ではどうしても傾向の似た問題や形式が多く、ある程度限定された範囲での解法を頭の中で検索することで正解を導くことができてしまいますが、特色検査で出題される問題では神奈川県で過去に出題されたことがあまりないような形式の問題も多く出題されます。その際に解法を知っていることはもちろん、解き方の分からない問題に対して頭を悩まし、自分の知っている様々な解法を組み合わせながら、正解を模索する作業こそが特色検査の対策になるといえます。
要求されている力(『論理的思考力』『読解力』『処理能力』)は一朝一夕でつくものではありません。特に先述の様な学年を問わないハイレベルな問題に直面したときに、投げ出さずに取り組むことのできる意識を作り上げることが必要です。そうした問題に多く触れることで自分の実力を知り、限界を更新していくとともに、現時点での自分に解ける問題と解けない問題の選別をできるようにしておく必要があります。また、常に時間を意識しながら解くことも欠かせません。今年度の様に20ページもある問題を1時間で解いていくためには、判断の速さは必須となります。思いつくまで頭を悩まし、自力で答えにたどり着くという訓練と、限られた時間内に正解にたどり着くという訓練の2つを両輪として対策を進めていかなくてはなりません。


分析担当:伊沢 淳先生

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